
およそ25年にわたる構想期間を経て、日本初の統合型リゾート(IR)が4月24日、大阪・夢洲で着工されました。米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの合弁会社による総事業費1兆2,700億円のプロジェクトは、2030年の開業を目指しています。
起工式には両社の幹部と地元議員らが参加しました。日本MGMリゾーツの代表執行役員社長CEOのエドワード・バウワーズ氏は「このプロジェクトに15年以上取り組んできた」と述べ、「これまでの道のりは決して平たんではなく、開業まで、そしてその後もさまざまな課題が立ちはだかるだろう」と今後の展望を語りました。
計画されるリゾートには、カジノ施設に加え、3つのホテル、会議・コンベンション施設、コンサートホール、飲食・ショッピング施設などが含まれます。建設予定地は関西万博会場の隣接地に位置し、政府主導で周辺交通インフラに巨額投資が行われています。
市場分析会社の予測では、開業後の年間収益は8,400億円規模に達し、現在のアジア最大カジノであるギャラクシーマカオの収益を大幅に上回る見込みです。実現すれば世界第3位の規模となります。
日本では最大3ヶ所のIR設置が法的に可能ですが、現在認可されているのは大阪のみです。2030年時点では国内カジノ市場を独占する立場となります。
エドワード・バウワーズ氏とは?経歴と実績
エドワード・バウワーズ氏は現在、合同会社日本MGMリゾーツの代表執行役員社長CEOを務める国際的ホスピタリティ業界のリーダーです。同氏は2014年に設立された日本MGMリゾーツでの要職を通じ、日本初となる大阪IRプロジェクトの実現に長年取り組んできました。
エドワード・バウワーズ氏は国際的なリゾート経営の知見を活かし、約15年にわたって日本でのIR実現に尽力。特に人材育成面において先駆的な取り組みを展開しています。
2018年より関西外国語大学との産学連携を開始し、「MGM IRホスピタリティ・ラーニングプログラム」を立ち上げました。このプログラムは関西の7大学から学生を集め、グローバルなホスピタリティ人材の育成に貢献しています。
エドワード・バウワーズ氏は日本のインバウンド観光を支える次世代リーダー育成を重視し、「ビジネスは人々に感動体験をもたらす”WOW”ビジネスであり、素晴らしい人材なしには実現できない」と語っています。
親会社MGMリゾーツ・インターナショナルはS&P500構成銘柄のグローバル企業で、世界各地で31のリゾートブランドを展開。その国際的ネットワークと経験を大阪IRプロジェクトに活かし、2030年の開業に向けて舵を取っています。