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- 蜂毒アレルギー もしもに備える正しい知識と理解
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野山でのレジャーを楽しめる時期は、同時に蜂の活動が活発になる季節でもあります。蜂に刺されると、痛みや腫れだけでなく、命に関わる「アナフィラキシー」を引き起こすことがあり、油断は禁物です。
大切な子どもたちを守るために、蜂毒アレルギーの正しい知識と、万が一の事態に備えるための具体的な対処法を身につけましょう。
「蜂に2回刺されると死ぬ」の真実
蜂が一番危険な時期は、巣が最も発達し、数が多くなる時期です。具体的にはアシナガバチは7~8月、スズメバチは7月~10月、ミツバチは一年中と言われています。
「蜂に2回刺されると死ぬ」という言葉が示すのは、蜂毒へのアレルギー反応である「アナフィラキシー」の危険性です。実際、日本国内では、蜂刺されが原因で年間20人前後の方が亡くなっています。
また、2001年から2020年までの20年間では、ハチ刺傷による死亡者は累計371人でした。この数字は医薬品(452人)に次ぐもので、食物(49人)よりはるかに大きい数字になっています。
さらに、日本アレルギー学会の調査では、アナフィラキシーの誘因として報告されたハチ刺傷の症例数(21人)は、食物アレルギーで知られる魚卵(17人)やソバ(11人)よりも多いことがわかっており、決して珍しい原因ではないのです。
原因となる蜂は、アシナガバチ、スズメバチ、ミツバチの順に多いとされ、正しい知識を持つことが、自分や大切な人の命を守る第一歩となります。
蜂毒とアナフィラキシーの仕組み
蜂毒に対するアナフィラキシー症状は、毒に対して体が過剰に反応するために起こります。15分で心停止に至るという報告もあり、一刻を争う状態です。
①蜂毒が怖い理由
蜂の毒は単一の成分ではありません。痛みや痒みを起こすヒスタミン、アレルギーの原因となるタンパク質(アレルゲン)などが混ざり合った、いわば「毒のカクテル」です。特にミツバチは、怒るとタンパク質の種類がより豊富で密度の高い毒を生成することが分かっています。
この毒に対して、体が過剰に反応するのがアナフィラキシーです。1回目に刺された際に、体内で作られた「IgE抗体」という物質が、2回目以降に蜂毒が入ってくると、アレルギー反応を引き起こし、全身に激しい症状が現れるのです。アナフィラキシーは、アレルギーの重篤な状態です。
②蜂毒アレルギーの症状
蜂毒アレルギーの症状は、軽症から重症までさまざまです。

数日で軽快する軽症例では、痛み・痒み・発赤などの皮膚症状のみですが、アナフィラキシーが起こると、血圧低下・呼吸困難などが出現します。症状は、急速に悪化する場合があります。
③蜂毒の症状出現までの時間
蜂刺されによるアレルギー反応は、非常に短時間で症状が現れるのが特徴です。多くの場合、刺されてから30分以内に症状が出はじめ、重症であるほどその時間は短くなります。
特に症状の進行スピードには注意が必要です。最も重篤なアナフィラキシーでは、刺されてから心停止に至るまでの中央値が15分(医薬品5分、食物30分)という報告があります。実際、症状が出た人のうち、41.4%は5分以内に、半数以上(54.4%)は15分以内に発症しており、救急車の到着を待つ時間がほとんどないことを意味しています。
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また、アナフィラキシー症状が出なくても、翌日以降、再び腫れが出る遅発反応は、人によっては長期間残る場合もあり、体調への配慮が必要です。
蜂に刺されてしまったときの対処法
①応急処置
万が一、蜂に刺されてしまったら、まずは落ち着いてその場を離れてください。1匹のハチに刺されると毒液(興奮物質)が空中にまき散らされ、多数のハチの攻撃を受けることがあります。蜂が追いかけてくる距離は種により異なりますが、概ね10m~50m程度です。
次に、傷口を流水でよく洗い流しながら、指でつまむようにして毒液を絞り出します。こうすることで毒を薄め、傷口を冷やす効果が期待できます。その後、患部に虫刺されの薬(抗ヒスタミン軟膏)などがあれば塗りましょう。ちなみに、傷口にアンモニアをかけるという俗説に効果はありません。
②アナフィラキシーを疑う症状が出たら
全身のじんましん、めまい、吐き気、息苦しさなどの症状が一つでも現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があります。ためらわずに119番通報し、救急車を呼んでください。
命を救う自己注射薬「エピペン®」
アナフィラキシーの経験がある方やリスクが高い方は、医師から処方されるアドレナリン自己注射薬「エピペン®」を携帯することが重要です。症状が出た際に太ももに注射することで、救急車が到着するまでの間の症状の進行を和らげられます。
蜂に刺されないための予防策
最も大切なのは、蜂を刺激せず、刺されるリスクを減らすことです。以下の点に注意しましょう。
- 蜂の巣には絶対に近づかない、巣を見つけても刺激しない。
- 野外活動の際は、蜂が攻撃目標にしにくい「白っぽい色の服」や帽子を身につけ、黒い服は避ける。
- 香りの強い香水、整髪料、化粧品は蜂を誘引するため避ける。
- ジュースや甘い飲み物の缶を開けっ放しにしない。
- 蜂が近くに来ても、手で払ったり騒いだりせず、姿勢を低くして静かにその場を離れる。
ジュースや飲料水の残りの液をえさにしているスズメバチも多く、唇を刺される場合もあります。
根本から体質を改善する「アレルゲン免疫療法」
蜂毒アレルギーを根本的に治療する方法として、「アレルゲン免疫療法」があります。これは、原因となる蜂の毒から作られたエキスを、ごく少量から注射し、徐々に量を増やしていくことで体を蜂毒に慣れさせ、アレルギー反応を起こしにくくする治療法です。
アレルゲン免疫療法の有効性は非常に高く、再び刺された際の全身症状を95%以上の確率で防げると報告されています。ただし、この治療法は現在、保険適用外となっており、一部の専門医療機関でのみ実施されているのが現状です。
正しい知識で、もしものときに備えよう
蜂毒アレルギーは、時に命を脅かす危険な状態ですが、正しい知識を持つことでそのリスクを大きく減らせます。蜂に刺された経験があり不安な方やアウトドア活動が好きな方は、一度アレルギー専門の医療機関に相談し、抗体検査でリスクを調べてみるのもよいでしょう。日頃から「刺されないための予防策」を心がけ、万が一「刺された時の対処法」をしっかりと覚えておくことが、安全な毎日につながります。
参考文献:
林業・木材製造業労働災害防止協会|労働安全衛生対策「蜂に注意」
アナフィラキシーガイドライン 2022
平田博国,石井芳樹.蜂毒アレルギーの臨床
同友会グループ|ハチ毒アレルギー
つくば科学万博記念財団|怒ったミツバチは、より多くの毒をつくる!!
厚生労働省|蜂刺され災害を防ごう
yomiDr|ハチに刺された 2回刺されると危険なのはなぜ?



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