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- 職場に退職代行から電話が!突然の退職に振り回されない管理職のための心得

退職代行業の最大手企業が警察の捜索を受けたというニュースがありました。退職代行というビジネスが生まれてそこそこ経ちましたが、そのコンプライアンス上の問題だけでなく、退職という重大事項を外注するという思考に理解が追い付かないという人もいるかも知れません。
とはいえ、若者中心に利用が増えている退職代行。ご自身の会社にも突然コンタクトが来るかも知れません。その時のために、管理職として考えておくべきことは何でしょう。
<目次>
退職代行から突然連絡が来たときに知っておきたいこと

退職代行を名乗る業者から連絡があったらどうしますか?
「ウチに限って大丈夫」と断言できる人はなかなかいないように思います。退職シーズンとも呼ばれるボーナス後の年末や年度末、何かが起こるかも知れません。
東京商工リサーチ調査によれば、退職代行業者から退職手続きの連絡を受けた企業は7.2%で、大企業は15.7%にのぼるとのこと。(2025年企業の「退職代行」に関するアンケート調査)人手不足状況が続く限り、こうした「面倒」をケアしてくれるサービスニーズが減ることはなさそうです。
ということは、今日にでもあなたの会社に退職代行から電話があるかも知れないということです。利用者の多くは20代など若者ですが、中高年でも利用者はいるようで、こうした代行ニーズは今後も広がりそうな情勢です。
ほとんどのケースは、電話で突然コンタクトしてくるようです。代表電話や人事部など、どこにかかってくるか不明ですが、実際に電話で内容を受けた人は普通は驚くでしょうが、社員の〇〇さんが退職したいという意思を伝達してくることになります。
自分の退職まで代行させるその姿勢や、そもそも突然退職に至るということは、それまでの行動でも決してポジティブなことはなさそうなのが普通でしょう。そんなところに突然、退職代行の業者から電話がくれば、怒り爆発!というのも普通かも知れません。
しかしここはいったん落ち着きましょう。恐れる必要はまったくありませんが、いきなりケンカ腰になったり、怒鳴りつけて得することは何もありません。そもそも「退職代行」って、何なのでしょうか。
まず相手を特定することが冷静な対応につながる

退職代行業者は3種類あります。警察の捜査が入ったモームリを主催するような一般企業。そして弁護士法人と、労働組合の3種類です。この種別は対応するうえで決定的に重要になります。
弁護士法人と労組には交渉権があるため、退職に際してのさまざまな話し合いが可能です。代行業者がこれらの場合は怒鳴りつけるなど論外で、きちんと対応が必要です。
これに対し民間企業の退職代行サービス業者は、「退職したい」という意思伝達をするだけで、交渉権がありません。「退職代行」ではなく、「退職意思伝達」の方が正確な役割かと思います。こうした民間代行業者は交渉が禁止されているため、電話では単に退職を告げる以外、できることがありません。
とはいえ、退職の意思伝達は誰がやっても有効となる可能性が高く、たとえ民間の代行業者でも、本人委嘱による退職意志の伝達によって、会社には退職を認める必要が発生すると考えましょう。
代行を使うことの是非とは切り離して、コンプライアンス上、無期雇用者であれば(有期雇用者は別)、2週間以上前に退職の意思表示をすれば、会社が退職を止めることはできません。
突然の電話がかかってきた時に会社側が取るべき対応として、まず重要なのは「相手が誰か」を冷静に見極めることです。いきなりの退職連絡でヒートアップしてしまい、怒りのあまりに電話をガチャ切りしても何も生まれないどころか、めんどうが長引くだけになります。
先の説明のように、「退職代行」といっても民間企業であれば、退職の意思を伝達することしかできませんので、民間業者と話し合うことはほとんどありません。
それよりもその連絡は本当に本人からのものなのか、まずは確認が必須です。当然、委任状などの法的な代理の証明無しに、本人に代わって退職のような重大事を扱うことはできません。そして弁護士法人など、相手に交渉資格がある場合であれば、拒否することはできないので、正面から退職手続きを進める以外に選択肢がありません。
入社したばかりで何も役に立っていない、退職すればシフトが崩れて他の社員に迷惑がかかる、教育にいくらかけたと思っているのか…と、さまざまな不満や怒りがわくのは当然です。ただ、それを代行者にぶつけたところで、何も事態は良くならないのです。
つまりできることは、退職の意思表明を受けたら、それを受理するしかないということになります。これについての不満は戦っても勝ち目がありませんので、対抗して損害賠償訴訟をおこすなどは可能かもしれませんが、多分成果につながらない可能性が高いでしょう。
退職トラブルを組織改善のきっかけに

しかし、無責任とも思える一方的な退職に対して、何か対抗できる手段はないのでしょうか。法的に難しいのであれば、退職手続きを行わない、必要書類を渡さない、あるいは給与を支払わないといった対応は可能なのでしょうか。
結論から言えば、いずれも対抗手段にはなりません。退職手続きや給与の支払いは法的義務であり、これに反する対応はコンプライアンス上、認められません。この点はすっぱりあきらめるべきです。また、「本人からでなければ受け付けない」「本人に連絡させろ」といった対応も無意味で建設的ではありません。
ただし、ユニフォームやパソコンなど、会社から貸与した物品については、退職後に勝手に使用することはできませんので、それらの回収は必要です。感情的になってしまうと、本来行うべき業務対応が抜け落ちるおそれがあるため、冷静な対応を心がけてください。その場ですべてを完結させようとせず、必要に応じて別途連絡する旨を伝えることが重要です。
急な退職による損害賠償や慰謝料を理由に、給与の支払いを差し止めたり、一方的に相殺することは認められていません。また、有給休暇についても、すでに付与された分は労働者の権利として確定しており、会社側が取り消すことはできません。
理不尽に思える一方的な退職代行に対して怒りが収まらないときは、ぜひ次のように考えてみてください。まず、そのような人物を見抜けなかった採用の判断は適切だったのか。次に、退職という重要な意思を本人が直接伝えられなかった背景として、社内環境に問題はなかったか。そして、会社として労働環境やコンプライアンスをきちんと整備できていたのかを振り返るきっかけとしましょう。
法的に対抗できず、引き止めることもできない退職であれば、それに時間やエネルギーを費やすのは得策ではありません。さっさと次に進むよう、気持ちを切り替えて下さい。退職手続きは法令に従い淡々と進め、可能な限り早く完了させましょう。損切りは早いほど、会社にとっての損失を最小限に抑えられます。
ただし、すべてのやり取りについては明確に記録を残してください。最初の連絡から退職完了まで、いつ・誰が・何を・どのように行ったのかを詳細に記録しておくことは、万一の裁判において会社の正当な対応を証明する重要な証拠になります。
また、経営上の視点からも、こうした事案には大きな意味があります。コンプライアンスの観点で言えば、社員が一方的に退職するという事態の前に、現在の職場環境や運用が法令に則っているかを見直す必要があります。
「有給休暇は代替スタッフが見つかるまで認めない」「制服への着替えは始業前に済ませるべき」「残業代は30分単位で、30分未満は不支給」など、違法な状況が放置されていないかを、ぜひしっかり検証して下さい。
もう一つ、こうした突然の退職や退職代行の経緯については、社内での情報共有を強く推奨します。特に管理部門や管理職の間では、事実を正確に共有し、会社側に改善すべき点がなかったかを検討することが大切です。採用や面接の段階での見極めに問題がなかったかも含め、組織として振り返る機会にしてください。
もし、そこから何かを学び取ることができれば、ただのトラブルと思われた出来事も、次のステップにつながる貴重な宝となる可能性があります。


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