護送車に乗って刑務所へ!国と企業が共同運営する「島根あさひ社会復帰促進センター」矯正展レポート

島根あさひ社会復帰促進センターが主催する矯正展が「旭ふるさと祭り」で開催されました。「旭ふるさと祭り」は島根県浜田市の旭町で開催されるお祭りです。当日はあいにくの雨模様でしたが、地域団体のステージ演目やおばけ屋敷、フードや物販など、会場は大盛り上がり。本記事では、その様子をレポートします。
<目次>
国と民間企業が共同運営する「島根あさひ社会復帰促進センター」
島根あさひ社会復帰促進センターには犯罪傾向の進んでいない男性が収容されています。開設されたのは2008年10月1日。官民が連携するPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)の方法で運営されています。サービス提供の主体は国ですが、民間企業の資金が投入されているのが特徴。約200人の国家公務員と約350人の企業の社員が働いています。
刑務所では、受刑者と刑務官は一緒に移動することが一般的ですが、このセンターでは受刑者が放送を聞いてひとりで移動する「独歩方式」を導入しています。民間企業の最新鋭のセキュリティシステムを導入しており、入所前にボディースキャナーで違反がないかチェックします。ここで働く職員と受刑者は、みなICタグを装着しており、館内のどこにいても位置情報が把握される仕組みとなっているそうです。
センター長の挨拶で旭ふるさと祭りが開幕

旭ふるさと祭りのオープニングセレモニーは体育館で行われました。開会の挨拶を毎年担当しているのが、当施設のセンター長である中間 篤則氏です。開会の挨拶を経て、旭中吹奏楽部の演奏がスタート。体育館の中にはコンテストに出品している大根が並ぶほか、生け花などの作品も展示されていました。

旭ふるさと祭りでは、会場と施設を護送車によって移動し、施設に向かいます。この日は以下の場所を見学できました。
- 多目的ホール
- 単独室
- 面会室
- 刑務作業室
- 入所時の待機場所
まず、刑務作業室を見学。知的障がい者や精神障がい者が主に製作している「岩見神楽の面」を見ました。このお面は型取りから色付けまで受刑者が行っているとのこと。
「お面の絵付け体験の授業」で使用する型も施設で作っているそうです。地域との連携を深めている様子がうかがえました。さらに、陶芸品である「石見焼」も職業訓練のプログラムに取り入れており、受刑者が製作した作品が展示されていました。
多目的ホールでは単独室を見学することができました。単独室と多目的ホールは20時35分まで自由に出入りできるそうです。また、単独室の窓には強化ガラスが採用されており、鉄格子は設置されていませんでした。この窓は開閉することができて換気も行えます。
面会室は「集団」「単独」「家族」の3種類がありました。集団面会室には受刑者と面会者を隔てる仕切りはありません。また、入所時の身体検査などを行う待機室では受刑者同士が顔を合わせないように椅子の位置が工夫されていました。ここで所持品を確認し、受刑者の間で格差が生まれないよう調整しているとのこと。
施設見学をした人には、刑務所のオリジナルキャラクターが印刷されたメモ帳とクリアファイル、ブルースティックと飲み物が配布されていました。
元受刑者が育てたいちごを使ったジェラートの試食会

会場ではいちごジェラートの試食会が行われていました。このジェラートには刑期を終えた元受刑者の育てたいちごが使用されています。元受刑者を雇用しているいちご農家の村田さんにお話を伺いました。
「あさひ社会復帰促進センターの刑期を終えて更生した受刑者はたくさんいます。うちの農家では真面目に働いている人が多いです」
村田さんの農園で就労期間中に再犯を犯した人はいないとのこと。「ていねいに業務に取り組む人が多いので、いちごの栽培に向いている」と教えてくれました。

販売開始前から長蛇の列ができていた「コッペパン」は、1袋2本入りで100円。矯正展の名物となっています。この日は販売開始から15分も経たずに288本が完売しました。販売を担当している職員によると毎回すぐに売り切れるそう。

受刑者が栽培している野菜を管理する株式会社セラムも出店していました。セラムは島根あさひ社会復帰促進センター内で、サツマイモを栽培しています。その始まりは地域のこども園から要望を受けたことがきっかけでした。施設内に約150坪のさつまいも畑を耕し、植え付けや収穫の作業を子どもたちが体験することに。畑の手入れを受刑者に依頼することにしました。
また、敷地内にはトマトを栽培するビニールハウスも2棟あります。そこでは季節を問わずにトマトを収穫できるそうです。栽培のノウハウは刑期が長い人に職員が刑期の長い人に栽培のノウハウを指導し、指導を受けた受刑者が新しい受刑者に教えていっているのだとか。
動物介助活動の一環で盲導犬パピー育成プログラムも

あさひ社会復帰促進センターは受刑者が生活する「刑事施設エリア」と社会復帰のコミュニティの場として開発された「地域交流エリア」にわかれています。地域交流エリアにあるのが、盲導犬訓練センター。受刑者と地域のボランティアによる「盲導犬パピー育成プログラム」が行われており、受刑者が盲導犬を育成しています。排泄物の処理などの動物介助を通して受刑者の矯正を計っています。
このプロジェクトが行われた16年間で80頭の犬を飼育し、そのうち21頭が盲導犬になりました。「盲導犬になれるのは訓練を受けた犬のうち3割程度なので、しっかりとした結果を残している」と担当者は話してくれました。

屋外ガレージのスペースでは、施設での受刑者の過ごし方や取り組みについてまとめたパネルが展示されており、動画での解説も行われていました。動画には受刑者の日常生活や民間事業と連携して地域奉仕に取り組む姿が映し出されています。一般的な刑務所のイメージと異なる印象を受けました。
人気のコーヒー焙煎器やテープバッグの販売も

旭ふるさと祭りで購入できるのは、松江刑務所の作業製品。テレビでも度々取りあげられるコーヒー焙煎器やPPバンドを編み込んだバッグがずらりと並びます。使用するPPバンドの種類や組み合わせ方は受刑者がそれぞれ考えており、個性豊かなラインナップ。しっかりとした作りで、長持ちするのが魅力だそうです。
今回参加した旭ふるさと祭りでの矯正展は、地域や企業との連携が見られました。島根あさひ社会復帰促進センターは高い塀ではなく柵で仕切られているため、ほかの刑務所と比べて開放的な印象がありますが、それはITの力で強固な管理をされているからとのこと。受刑者と民間企業、地域住民にとって今後もよりよい活動となることに期待したいです。
島根あさひ社会復帰促進センターの基本情報
所在地
島根県浜田市旭町丸原380-15
交通手段
旭IC(バス)下車後、徒歩約17分
TEL 0855-45-8171(代表)














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