
16日、自由民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党の4党が提案した、LGBTの理解増進を目指す修正法案が、参議院本会議で賛成多数により可決・成立しました。
しかし、全会一致ではなく、立憲民主党と共産党、れいわ新選組などは法案反対を表明。その理由として、既存の超党派議員連盟がまとめた法案と比較し、内容が後退したとの見解を示しました。
成立した法律の中心となる条文は「性的指向やジェンダーアイデンティティに基づく不当な差別は許されない」であり、これはLGBTの人々に対する理解を深めるための政策で、政府が基本計画を作成することなどを定めています。
その上で、「法律に定める措置の実施にあたっては、すべての国民が安心して生活できることとなるよう留意する」という文言が追加されています。この法案をめぐり、自民党内の保守派からは反対の声が上がり、衆議院に続き参議院本会議でも採決前に退席する議員が見られました。
今回の1件は、LGBT理解増進に向けた道のりの険しさを示す一方で、国会の議論がさらなる理解の進展につながることを期待させます。ネット上には、「日本社会への思いの強い政治家だと思う」「勇気ある行動をとった」「日本の法律なのにカタカナ英語に逃げた」などの意見があがっています。
LGBTとは?世界的課題と広がる認知
LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの頭文字を取ったものです。この言葉は、性的指向や性自認を表すものであり、人々が自分自身を理解し、他人に表現する方法の一部となっています。
LGBTは人口に占める割合が少ないことから、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)と言われているのも事実です。そんななか、日本だけでなく世界中でLGBTへの理解と受け入れる動きが広がっています。
しかし、LGBTの認知と理解が広がりつつも、受け入れ体制が整っていない地域や文化もあります。北欧諸国や西欧の多くではLGBTの権利は法律で保護され、同性婚も認められている一方で、アフリカや中東の一部の国では、LGBTであること自体が罰せられる場合もあります。
これらの国際的な動向を踏まえると、今回の日本の法案成立は、性的指向やジェンダーアイデンティティによる不当な差別を禁じるという点で、全世界の人々が安心して生活できる社会の実現に一歩近づいたと言えるでしょう。今後も日本と海外における、LGBTの動きに注目したいところです。