
国際的な特殊詐欺組織の中核メンバーに対する厳しい判決が下されました。東京地方裁判所は、悪名高い「ルフィ」グループで電話をかける役割を担っていた長野市出身の寺島春奈被告(30)に対し、懲役4年6ヶ月の実刑を宣告しました。
事件は2019年に発生し、被告はフィリピンを拠点として仲間と共謀して国内の高齢者を標的とした組織的な詐欺行為に従事していました。
具体的な手口として、虚偽の内容で被害者に電話をかけてキャッシュカードの詐取を行い、その後不正に現金を引き出すという悪質な犯行を繰り返していました。
裁判所は量刑理由において、被告の組織内での地位と責任の重大性を強調。単なる末端の実行犯ではなく、詐欺集団における重要な構成員として犯罪の成功に不可欠な機能を果たしていたと認定しています。
さらに、金銭的利益を追求する明確な意図があったことも厳罰の根拠となりました。被告の継続的な犯行参加は経済的動機に基づくものであり、社会的な非難に値する行為として厳格に処罰されるべきだと判断しています。
ネット上では、「被害額を刑務所内労働で支払い完了したら出すようにして欲しい」「もっともっと懲罰にしてほしい」「特殊詐欺に係る案件は、厳罰にするべく法整備を整えて頂きたい」などの意見が寄せられています。
寺島春奈被告の闇バイト転落 SNS誘惑から国際詐欺組織への道のり
長野県で生活していた寺島春奈被告の人生が暗転したのは、2019年10月のことでした。当時24歳だった被告は、Twitter(現:X)上で恋愛系のポエムを投稿するアカウントからフォローを受けたことが全ての始まりでした。
そのアカウントのプロフィールには「在宅ワークの紹介」という文言があり、やがてダイレクトメッセージでのやり取りが始まりました。
相手から持ちかけられたのは「フィリピンでのリゾートバイト」という魅力的な誘い文句でした。「日本人が多数在籍し、短期間でも参加可能」という説明に、被告は観光気分で参加を決意したとのことです。
11月にフィリピンに到着した翌日、数十名が集まる部屋に案内された被告は、初めて「かけ子」という役割を告げられました。警察官を偽装して高齢者を騙すマニュアルを渡され、犯罪組織の一員としての活動を強要されたのです。
既に住所や連絡先などの個人情報を相手に渡していた被告は、恐怖心から断ることができなかったといいます。被告は後に「被害者に申し訳なく思う」と法廷で悔恨の念を表明しています。