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パソコンやスマートフォン、タブレット端末が広く普及し、子どもの頃からこれらのデジタルスクリーンを見ているという人が多くなっています。
そんな時代に気になるのが「近視」です。
スクリーンを長く見ていると近視になるというイメージは、皆さんお持ちだと思いますが、実際にデジタルスクリーンを見ている時間と近視の関係について、よく知っているという人はなかなかいないかもしれません。
今回は、デジタルスクリーンの使用時間と近視の関係についての研究を、まとめた論文について紹介します。
ソウル国立大校医学部眼科学のYoung Kook Kim氏らは1日当たりのスクリーンタイムが1時間増えるごとに近視になるリスクが高まり、近視になる傾向が21%上昇する可能性を報告しました。詳細は「JAMA Network Open」2025年2月21日に掲載されました。
研究の背景
この研究は、これまでに行われた、デジタルスクリーン使用時間と近視リスクの関係についての研究論文を集めて、それらを統合する手法で行われました。過去の研究を統合して一つの研究にすることを、システマティックレビューと言います。
さまざまな研究の論文が集まったデータベースであるPubMed、EMBASE、Cochrane Library、CINAHL、ClinicalTrials.govから、論文を抽出しました。抽出の対象になったのは、それぞれのデータベースの設立日〜2024年11月25日までの期間に作成された論文です。そのなかから、デジタルスクリーン機器(スマートフォン、タブレット、ゲーム機、コンピュータ、テレビ)の使用時間と、近視関連の関係を調査した一次研究の論文が選ばれました。
対象となった論文を解析して一つの論文にまとめました。
研究の結果
対象になった論文の数は45でした。それらの研究の対象者を合わせた3,355,241人が解析の対象となりました。(平均年齢9.3±4.3歳)
解析したところ、以下のことが判明しました。
1日にデジタルスクリーンの使用時間が1時間増えるごとに、近視のリスクは上昇しました。しかし、1日1時間までのスクリーン時間では、近視との関連は見られませんでした。
つまり、デジタルスクリーンの使用時間が、1時間以下では近視のリスクにはならず、1時間以上になると、1時間増えるごとに、近視のリスクが明らかに上昇するということがわかったのです。
子どもの近視を予防するためには、可能であれば画面を見る時間は1日1時間以内にしましょう。どうしても1時間を超えてしまうという場合でも、できるだけ短くすれば近視のリスクを下げることができます。
スクリーンタイムは1日1時間までにする
今回は、デジタルスクリーンの利用時間と、禁止リスクの関係についての研究を紹介しました。
研究結果をみると、「ゲームは1日1時間」は案外理にかなった方法なのかもしれません。子どもの頃から、さまざまなデジタルスクリーンを使用していかないといけない時代ですが、必要のない時にはできる限り使用せずに過ごすようにしましょう。