「抱き合わせ融資」による違法な利息受取で不動産会社の社長ら3人が逮捕

抱き合わせ融資で違法な利息を受け取った疑いがあるとして、不動産会社の社長ら3人が逮捕されました。不動産会社「リベレステ」の社長・河合純二容疑者ら3人は、東京の太陽光発電業者に約7億円を融資する際、買い手のつかない山林などの土地を不当に高い値段で購入させ、法定金利を上回る利息を得ていた疑いが持たれています。

警視庁は山林などの土地の購入代金も違法な利息とみなし、立件に踏み切ったとのことです。河合容疑者は逮捕前、取材に対して「頼まれたので売っただけで、抱き合わせ融資ではない」と意見を述べていました。

なお、警視庁は会社ぐるみで違法な利息を取っていたとみて調べるとともに、法人として会社を近々書類送検する見通しです。

今回の事件では、会社が所有していた不良在庫の土地(災害リスクのある斜面地など)を社長が選び、販売価格を自らが決めていたとのこと。取引相手とのやり取りは、同時に逮捕された当時の社長室長が担っており、取引先には「甘い審査ですぐに貸せるが、貸し付けの条件は不動産の購入だ」と伝えていたとされます。

警視庁は3人が2012年頃から同様の手口で犯行を繰り返していたとみており、調査を進めています。ネット上では「このような違法な取引にはしっかりと対応してほしい」「原野を公図上分筆して分譲地に見せかけて販売する手口は今も行われている」「これほどのあからさまな違法行為は聞いたことがない」などの意見が寄せられています。

不動産会社「リベレステ」の実態とは?

今回逮捕されたのは、不動産会社「リベレステ」の社長・河合純二容疑者ら3人です。「リベレステ」は、埼玉県草加市に本社を置く不動産会社で、東京証券取引所のスタンダード市場に上場しています。

「すべての人に住みやすさを実現すること」を使命にしており、マンションの建築や分譲などを手掛けています。会社の有価証券報告書によると、2022年5月の決算では60億円余りの売上を計上しているようです。

河合純二容疑者は前身の会社時代から社長を務めており、創業者として長年経営に関わってきました。2023年4月18日には公式サイトで「代表取締役の異動に関するお知らせ」として、河合純二容疑者の社長解任、そして相談役への異動が発表されました。

異動日は6月1日付けを予定しており、新社長として現常務取締役の坂本真一氏が就任するはずでした。異動の理由は、「新たな経営体制の移行により、コンプライアンス体制の強化及び事業構造改革の推進を図るため」としています。

なお、2023年3月に本社や社長の自宅などが警視庁の捜索を受けたことから、会社が社長らに聞き取り調査をしていたとのことで、社長らは「正当な不動産取り引きで出資法違反にはあたらない」と説明していました。

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