米国のサンドイッチチェーン大手のサブウェイは24日、投資ファンドのロアーク・キャピタルによる買収で最終合意したと明らかにしました。ロアーク・キャピタル側は入札額として、96億ドル(約1兆4,000億円)を提示したと報道されています。
ロアーク・キャピタルは、ジョージア州アトランタを拠点とするプライベートエクイティー投資会社です。プライベートエクイティー投資会社とは、主に非上場企業に投資し、株価が上昇したタイミングで売却して利益を得ている会社のことです。
ロアーク・キャピタルは過去に、バッファロー・ワイルド・ウィングスやアービーズなどの食品関連のブランドに出資しています。一方、サブウェイは1965年にコネティカット州ブリッジポートで、フレッド・デルーカ氏によって開かれた店が発祥です。
現在は100ヶ国以上で、合計3万7,000店近くを運営する世界最大級のファストフードチェーンとして知られています。長らく親族経営を続けてきたサブウェイですが、今回の買収により60年近く続いた親族経営が終了します。
ジョン・チッジー氏がCEOに就任して売上が増加傾向
近年、競合他社との厳しい競争の中で、サブウェイは売上の低下や店舗の閉鎖という課題に直面していました。具体的には、2015年から2021年までの間に6,000店以上が閉鎖されています。
そんな中、2019年にサブウェイは経営陣に変革をもたらし、創業家出身でないジョン・チッジー氏をCEOとして迎え入れました。ジョン・チッジー氏の下でサブウェイはブランドのリニューアルやメニューの見直しを行い、本社の人員削減などの改革を進めました。
同時に米国外での拡大を目指し、中国企業との大型契約を含む複数の新たなフランチャイズ契約を締結しています。上海富瑞食との契約では、約20年間で中国に4,000店を出店することになっています。サブウェイの売上は増加傾向にあり、特に米国内での売上は10四半期連続で成長を遂げています。
ジョン・チッジー氏は今回の買収に関して、「サブウェイの長期的な成長の可能性、そしてサブウェイのブランドと世界中のフランチャイズ加盟店の大きな価値を反映したものです」と説明した上で、「サブウェイはロアークとともに明るい未来を歩んでいき、引き続き加盟店とお客さま、そして従業員のウィン・ウィン・ウィンのアプローチを大切にしていくことを約束します」と語りました。両社の将来に大きな期待が寄せられています。