米国のテクノロジー大手Googleは8日、生命活動の核心をなすたんぱく質やDNA、RNAなどの分子構造を予測できる画期的な人工知能(AI)を開発したと発表しました。この技術は、病気の解明や新薬の開発を大幅に加速させる可能性があります。
AI研究開発部門であるGoogleディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者は、記者会見で「新薬の発見のプロセスを飛躍的に速くできる」と述べています。高精度に予測するAIの名称は「アルファフォールド3」であり、複数の分子がどのように相互作用し、立体構造を形成するかを高精度に予測することが可能です。
このAIを開発する過程においては、既に知られている生体分子のデータを基に学習しているとのことです。従来、分子構造の特定にはX線や顕微鏡などの手法が用いられていました。数ヶ月から数年かかるこれらの方法と比較して、AIを使用することで瞬時に予測が可能になります。
研究成果の応用により、特にがんなどの病気治療や新薬開発において、革新的な進展が期待されています。ネット上では、「研究結果は非常に興味深い」「今度どうなるのか楽しみ」「体調不良、アレルギーの原因などを特定するAIも期待」などの意見が寄せられています。
デミス・ハサビス氏「無料のAIツールとして自由に使用できる」
Googleによって新たに開発されたAI「アルファフォールド3」を使えば、病気に関わる分子の解明やその分子に作用する化合物を見つけるプロセスを短縮できるとのことです。アルファフォールドの開発は2016年に始まり、その成果はすでに高い評価を受けており、多くの科学賞を受賞しています。
Googleディープマインドはアルファフォールド3の開発にあたり、最先端のAI技術を取り入れており、病気のメカニズムや薬の作用を詳しく調べられるとしています。また、デミス・ハサビス氏は、この技術が「無料のAIツールとして自由に使用できる」とコメントし、世界中の研究者がアクセスできるようにしてきました。
これにより、医薬品開発のプロセスが飛躍的に速くなることが予測されます。さらにGoogleはこの技術を発展させ、製薬企業との連携も進めています。AIを用いた創薬は既に多くの企業や大学が競い合う分野であり、その研究はさらに多様なアプローチを生み出しています。