インドのナレンドラ・モディ首相は、グジャラート州にあるモデラで「太陽光発電100%の村」が誕生したことを報告しました。6日から、国連の気候変動に関する国際会議「COP27」がエジプトにて開催されるため、電力の完全なる自給自足を実現したある村がいま注目を集めています。
国連トップのグテーレス事務総長が、インド西部に位置するモデラ村を訪問。村人たちから熱烈な歓迎を受けたグテーレス事務総長は、「深く感謝します。地球を救い、自然と平和を築き、気候変動に打ち勝つという決意に」とコメントしました。
太陽神を祭る寺院が有名なモデラ村は、太陽光発電により村中の電力をすべて賄うことのできるインド初の村として有名です。太陽光発電システムの導入については、政府などが14億円の出資にて実現しました。
太陽光発電による電力の自給自足が実現したことに対し、モディ首相は「太陽寺院で知られるモデラ村は、太陽エネルギーにおける躍進でも知られるようになるでしょう」と述べています。
太陽光発電システムの導入によってモデラ村の生活が一変した
政府などによる14億円の出資によって実現した太陽光発電システムにより、モデラ村の生活は一変したと現地の人々は語りました。
この村では約6,500人が暮らしていますが、現地の住民は「電気代の心配ばかりしていたが、そのストレスがなくなった」「より短時間で多くのものを作れるようになった」などと述べました。
村の子供たちはこれまで街頭を頼りに勉強をしていましたが、電気を自由に使えるようになったことで、現在は自宅の明かりにて勉強ができています。また、一般家庭に割り当てられた電力を使い切らなかった場合は、政府が余剰電力を買い取ってくれるとのことです。
モデラ村があるグジャラート州は、年間を通して雨が少なく、夏は日差しが強く猛暑日になりやすいことから、モデラ村は太陽光発電を実施するのに適した環境だと言えるでしょう。
インドでは2030年までに太陽光発電500GWを目標
インドでは太陽光発電を中心とした、再生可能エネルギー発電の導入を積極的に進めています。インドの新・再生可能エネルギー省によると、インドの太陽光発電量について、2022年1月末時点で北西部ラージャスターン州が国内最大となりました。
インドでは、過去3年間で太陽光発電の発電量が約6.5GW増えているとされます。モディ首相は、2030年までに太陽光発電量を500GWまで拡大する目標、さらには2070年までに温室効果ガスの排出をネットゼロにする目標を掲げています。
今回、モデラ村が完全なる自給自足を実現したことで、今後さらに注目が集まると予想されます。モデラ村含めたインドの動向から目が離せません。