東京農工大学の高田秀重教授率いる研究グループは、国内で採取された人々の血液内に、直径千分の1ミリ以下の「ナノプラスチック」と呼ばれる微細なプラスチック粒子が含まれていることを確認しました。さらに詳細な分析により、1人の血液や肝臓、腎臓などから、プラスチックに添加される紫外線吸収剤やポリ塩化ビフェニール(PCB)などの有害化学物質が見つかっています。
日本国内でのこの種の発見は初めてであり、ナノプラスチックと有害化学物質が同時に検出された事例は世界でも未報告でした。ナノプラスチックは環境中に広く存在し、その小さな粒径が体内への取り込みやすさを高め、生物に対する影響を強めていることが指摘されています。
高田教授は、「プラスチックの微粒子が有害化学物質を体内に運び込んでいる」と警鐘を鳴らしています。現在の検出量では健康への影響は小さいとされていますが、長期間にわたる蓄積や摂取量の増加が、将来的に人体、特に生殖機能に悪影響を及ぼす可能性があるとの懸念を示しています。この発見は、環境汚染と人体への影響について、さらなる警告となり得ます。
ネット上では、「本当に検出されたのであろうか?」「人が現代の生活レベルを継続している以上は増えても減らすことは大変困難だと思います」「調べれば調べるほど、知らなきゃよかったと思うことばかり」などの意見が寄せられています。
マイクロプラスチックの汚染が拡大 「全ての哺乳動物に影響」
地球上の最も遠い隅から深海まで、「マイクロプラスチック(ナノプラスチックよりも大きいプラスチック)」の汚染が拡大しています。最新の研究を通じて、人類に対してさらなる警告を発しています。
2月17日に発売した学術誌の「Toxicological Sciences」によると、ニューメキシコ大学健康科学センターのマシュー・キャンペン博士とそのチームは、62のヒト胎盤組織サンプルを分析し、これら全てにマイクロプラスチックが含まれていることを発見しました。この粒子の濃度は6.5から790マイクログラムに及び、最も頻繁に検出されたプラスチックの種類は日常的に使用されるポリエチレンでした。
マシュー・キャンペン博士は、「これほどの濃度を引き起こす要因は分かっておらず、またその濃度が胎盤や胎児の成長および発達、また他の母体の健康への悪影響に寄与しているかどうかも現時点では明らかではありません」とした上で、「しかし、胎盤は母体の血液から多くの栄養を取り込むため、より強い影響を受ける可能性があります」と警告しています。
さらに、「胎盤に影響があれば、この惑星上の全ての哺乳動物に影響を及ぼしていることが考えられます。それは良いことではありません」と指摘しています。この研究は、生活環境に溢れるプラスチックの使用が、想像以上に深刻な影響を及ぼしていることを改めて示しています。