日本は円安や物価の上昇などの影響で、十分な資産を蓄えられていない世帯が増加傾向にあります。しかし、その一方で富裕層と呼ばれる世帯が日本で暮らしているのも事実です。
そもそも富裕層の定義は、調査機関によって基準が異なります。経済産業省では、1つの目安としてNRI(野村総合研究所)の調査を用いて、富裕層を以下の3種類に定義しています。
Knight Frank | WEALTH-X | Capgemini | NRI | |
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超富裕層 | 30億円以上 | 30億円以上 | – | 5億円以上 |
富裕層 | 1億円以上 | – | 1億円以上 | 1億円以上5億円未満 |
準富裕層 | – | – | – | 5,000万円以上1億円未満 |
NRIは「日本の富裕層」をあらわしており、そのほか3社の調査機関は「世界の富裕層」をあらわしています。
2019年時点では、超富裕層は8万7,000世帯、富裕層は124万世帯、準富裕層は341万8,000世帯です。調査された世帯数は合計で5,402万3,000世帯なので、超富裕層と富裕層の割合は約2%となります。
富裕層が実践する資産管理の3つの特徴
NRIによると、コロナ禍が超富裕層・富裕層であるオーナー経営者の意識や行動に影響を与えているとされます。NRIが実施したアンケート調査の結果を見ると、富裕層の資産管理には以下3つの特徴があることがわかります。
- シンプルでわかりやすい商品を好む
- 積極的に情報収集や勉強をしている
- 周囲の意見も参考にする
富裕層は意外にも、複雑で難しい商品ではなく、シンプルでわかりやすい商品を好んでいます。シンプルの定義は明らかではありませんが、具体的には、日経平均やNYダウといった株価指数などの指標に連動する運用成績を目指す、インデックス投資信託の商品を選ぶという方法が挙げられます。
また、富裕層はいまある情報だけで資産管理をするのではなく、積極的に情報収集や勉強をしているとのことです。相場は常に動いており、情報の変化が激しい現代では、これまで以上に情報収集の正確さとスピードが求められます。
もう1つの特徴として、周囲の意見を参考にするということが挙げられます。第三者の意見を参考にすることで、自分だけでは見えてこなかったリスクマネジメントにつながり、投資リスクを抑えられるといったメリットがあるのです。
なおこれらの資産管理は、富裕層だけの課題ではありません。これからの時代は、富裕層以外の人たちもNISAやiDeCo、投資方法などの理解を深め、自らの資産を自分たちの力だけで守らなければなりません。
今回の記事をきっかけに、投資管理について一度考えてみてください。