チワワ州の警察当局は1日、メキシコ北部のシウダーフアレス市にある刑務所が武装集団に襲われ、看守と受刑者を含めた14人が死亡し、13人が負傷したと発表しました。現時点で判明している脱走者は24人です。
声明によると、犯行は現地時間の1月1日午前7時ごろに発生。装甲車両に乗った武装集団が警備要員に銃声を浴びせるなど、非常に大胆な手口だったとされます。なお、襲撃犯の背後関係や、犯行の指揮者は明らかになっていません。
また同日には地元の警察署が襲撃され、車で逃走していた2人が死亡し、4人が逮捕されました。ネット上ではこのニュースに対して、「日本では起こり得ない事件が普通に起こってしまうのが怖い」「日本の治安が良くて本当によかった」「装甲車でやってくるというのは、日本では想像できないレベルだ」などの意見が寄せられています。
2022年8月にはシウダーフアレス市で大規模な暴動が発生
今回事件が起きたシウダーフアレス市は、麻薬密売組織絡みの暴力がはびこるなど、メキシコでも治安が最悪水準にある都市の1つとして度々問題視されています。
シウダーフアレス市にある刑務所で起きた問題は、今回が初めてではありません。2022年8月には、刑務所で起きた暴動が路上にまで拡大し、民間人にも被害が発生したとして「在レオン日本国総領事館」が注意喚起をしました。
公式サイトによると、暴動の拡大によって銃撃戦や放火などの事案が発生したとのことで、「現地報道等をご確認いただき、近傍地区への不要な来訪は控える、近寄らないなど身体の安全を最優先に考え、暴動・銃撃戦などに巻き込まれないよう十分に注意してください」と、注意を促しています。
また事件の現場に遭遇したときには、以下のような行動が推奨されています。
- 現場から直ちに離れて距離を取り、近寄らない
- 退避する際は、極力姿勢を低くし物陰沿いに移動する
- 退避できない場合は、付近の建物や堅牢な柱等の物陰に隠れたり、銃声がする場合は、両腕やカバン等で頭部を覆い、銃声のする方向に足を向けてうつぶせで伏せて、銃声が止んで退避可能と判断できるまでその場から動かない
この暴動事件では、11人が死亡したとされています。また事態を収拾させるために、数百人規模のメキシコ軍兵士が派遣されました。
いずれにしても、シウダーフアレス市は「ギャングシティ」と呼ばれるほど危険な都市であるため、軽率に近づくべきではありません。メキシコ付近を旅行する際には、細心の注意をはらいましょう。