米国政府と中国のバイトダンスが個人情報流出の懸念で対立しているなか、全米初のTikTok禁止法がモンタナ州で成立しました。ただし、バイトダンスは「モンタナ州民の(言論の自由を保障する)憲法修正第1条の権利を侵害している」と反論しており、現時点では訴訟に発展する可能性が高いとのことです。
モンタナ州は17日、中国系動画投稿アプリのTikTokを禁止する法案に署名し、新たな法律が成立しました。モンタナ州議会は個人端末でのTikTok使用を禁じる法案を、54対43の賛成多数で可決。グレッグ・ジアンフォルテ知事は自身のTwitterで、「中国共産党からモンタナ州の人たちの個人情報を守るためTikTokを禁止した」とツイートしました。
2024年1月1日より施行される予定で、Androidの「Google Play」やiOSの「App Store」などのアプリストアからダウンロードされた場合、違反行為1件につき1日当たり1万ドルの罰金が科せられる可能性があります。これは「Google Play」や「App Store」に科せられるもので、アプリを利用する個人には発生しません。
なお、TikTokの運営元であるバイトダンスは、この法案について提訴するとみられています。繰り返し同アプリと中国政府による影響を否定しており、同アプリは「モンタナ州の数十万人」が使用している、と説明しています。
バイトダンスはその上で、「我々がモンタナ州内外でのユーザーの権利を守るために努力している間、モンタナ州の人々には、引き続きTikTokを使って自分自身を表現し、収入を得て、コミュニティーを見つけられる。安心してもらいたい」と述べました。
TikTok禁止法に対してユーザー5人が差し止め求めて提訴
モンタナ州でTikTokの提供が2024年1月1日より禁止されることが決定しました。それを受け、ユーザー5人がオースティン・ヌードセン州司法長官を被告とし、差し止めを求めて提訴しました。
原告らは「州が持たない国家安全保障の権限を行使し、州が抑圧できない言論を抑圧しようとしている」とし、合衆国憲法に違反すると指摘しています。ヌードセン長官の報道官は訴訟を想定していたようで、TikTok禁止法を「擁護する準備が完全に整っている」と述べました。
この1件を受け、ネット上では「モンタナ州の人が可愛そう」「合衆国憲法の表現の自由違反では?」などの意見があがっています。