女優・映像プロデューサーとして活躍する葵芽美(あおいめぐみ)が描く未来

前編の記事では、チアリーダーとして活躍していたところから自己表現として女優の道のりを歩み始めた、葵芽美さんの背景にせまりました。後編では、女優兼映像プロデューサーとして活躍することになった経緯や今後の展望について伺いました。

女優として勝ちあがるための戦略

ー女優として歩み出して今まで順調に進んできましたか?

劇団扉座』での卒業公演が、私の女優としての第一歩となりました。扉座では、俳優に必要なありとあらゆる事を教えていただき、演技の難しさを痛感する日々でしたが、この時の経験を思い返すと、「まだできる!」という気持ちになり、今もずっと支えられています。

その後、事務所に所属していた時期もありますが、舞台をメインに女優活動を続けていました。それから映画に出たいという思いが強くなり、「まずはオーディションを受けよう!」と思いました。ダンサーも女優もそうですけど、オーディションは生涯つきまとってくる、逃げられないものになってます(笑)

オーディションをいくつか受けてみたものの、箸にも棒にもかかりません。この業界に触れて初めて知ったことですが、東京は街を歩いていたら何人もの女優・俳優とすれ違うくらい芸能を志す人に溢れていて、オーディションも何百人という応募がくるのが当たりまえなんです。そんなに甘い世界じゃなかったと絶望する時期がありました(笑)

じゃあ、どう戦うか?というのを考えた時に、まず挑戦したのがハンドメイドのアクセサリーブランドの立ち上げです。ブランドを立ち上げて自分がモデルをやったり、映像を作ったりすれば少しでも露出の機会が増えます。そこで、こういう演技ができますとか、写真モデルをやるとこんなイメージですとか、プロフィールにもなります。

また、映画が好きだっていうブランディングをしたくて、ハンドメイドのアクセサリーは、作品ごとに異なる映画をコンセプトにするというブランドにしました。

SONYの新作カメラのプロモーションも兼ねて、ハンドメイドブランドのPVを撮影したこともあります。ありがたい話ですが、ハンドメイドのアクセサリー業が忙しくなっても困るという嬉しい悲鳴でした(笑)

もう少しエンタメ寄りな企画をやってみようと思って始めたのが『女優の卵展』です。世の中には「いつか必ず檜舞台に立つぞ!」と、懸命に足掻く女優がたくさんいる事を知ってほしい、そしてそんな女優たちの活路を見出したいと思ったのがきっかけでした。劇場や舞台芸術がなかなか一般に広まらない、そんな状況を打開したいという想いもありました。

まずは中野ブロードウェイで写真展を開催。舞台とかお芝居に興味がない人でもふらっと立ち寄って興味を持ってもらえるように入場料は無料にして、制作会社さんにもお声がけしたり、女優がアピールできる場をイメージしました。

思ったよりも反響がよくて、ある映画監督さんが「面白いことしてるね」と興味を持ってくださって、「じゃあ次は映画撮ろうか!」と、トントン拍子で話が進んでいきました。

2022年はそのオーディションをして、これから頑張っていきたいっていう覚悟を感じられる女優さん達を選んで映画ができあがりました。映画に出たいという思いが、ハンドメイドや女優の卵の写真展となり、映画監督がそれを見てくれたことで、すべてがつながりました。

映像プロデューサーへの道

ー行動を起こしたことで映画監督と出会い、映画制作につながったなんてすごいですね!

声をかけていただいた方が、空下慎監督という海外で特に注目されている監督さんで、マドリードやミラノ、フランスのニースをはじめ世界中で多くの賞を受賞されています。空下監督が企画自体をおもしろがって協力してくださっているので、今後も色々一緒にやっていけたらと思っています。

映画制作にはクラウドファンディングで支援金を集めましたが、映画のなかでは低予算での挑戦になりました。それでもこうやって完成できたのは、『女優の卵展』というコンテンツに魅力を感じ、そして協力してくださった皆様のおかげだと感じています。

そして映画を作っていくなかで、女優としての露出機会を増やしたいという気持ちがより強くなってきました。映像プロデューサーとして自分で映像を作るのはやはり利点があって、自分が挑戦したい路線とか、自分の強みを最大限に生かせるんです。

もちろんオーディションを受けるのも重要ですが、それって自分が目指したい役柄をやれるとは限らないし、作品を選べる訳でもなかったりします。

私はちょっと性格の悪い女とか、あざとい女とか、男に媚びる女とか、女に嫌われる女みたいな、少しクセのある役に挑戦したいと思っていますが、イメージ通りの役柄ができるとは限らないじゃないですか。

自分で役のオーディションを受けに行くと同時に別軸で、映像プロデューサーとしてイベント企画をしたり、新しい作品をプロデュースして、女優としての仕事も増やせたらおもしろいと思います。オーディションで吉報を待つだけじゃなくて、自分で出演の機会を取りに行くという、それが私の戦い方なんだと最近考えるようになりました。

ー女優になるには、養成学校やオーディションが王道のように思いますが、ご自身で企画をして行動を起こすエネルギーが本当にすごいですね。

私も手探りしながらではありますが、やはりその王道ルートで結果が出ず苦戦し、辞めていった仲間たちをたくさん見てきました。才能に溢れた方ばかりで、綺麗で当たりまえ、可愛くて当たりまえなこの世界で、なんの戦略もなく勝ち残るのは難しいと感じています。

人と同じ戦い方をしてても生き残れない世界です。プロデューサーは演技以外の面にも多くの時間や労力を掛けなきゃいけないですし、遠回りと言われれば遠回りだと感じることもあります。それでも自分なりの戦い方や武器を持つために、色々と挑戦してきました。

やっぱり女優は演技ができるのが当たりまえで、「プラスアルファであなたは何ができるんですか?」という時代になっていると感じています。そのプラスアルファの軸が多いに越したことはありません。私自身としては企画力だったり、未知の世界にもすぐに飛び込める度胸や行動力が、プラスアルファの部分だと思っています。

葵芽美が描く、今後の展望

ー新しいものを企画するプロデューサーでありながら、プレイヤーとしてもご活躍されている葵芽美さんの今後の展望を聞かせてください。

女優をやっているだけの頃には交流のなかった方から、最近お声がけいただく機会も増えました。映画監督や、映像のプロデューサーの方から「そういう活動もしてるんだね」と、私自身に興味を持ってくださっています。向き不向きもありますが、自分に合った戦い方を見つけるのが大事だと実感しています。

女優と映像プロデューサー、この両輪で戦っていきたいですが、女優としてはもっと映画で活躍してメジャーを目指したいですし、生涯女優でありたいです。

クセのある女の人のポジションを確立して「そういう役では、あの人だよね」と名前が挙がるぐらいに、個性を打ち出していけたらと思ってます。松本まりかさんや田中みな実さんのような、少しあざとい女子のポジションを狙っていきます。そういうキャラで5本指に入るような女優を目指しているので、今後も映画や映像にどんどんトライしていきます。

女優として活躍していくためにも、いろいろな方とつながっていくこととか、作品を世に出していくことがすごくプラスになると思います。次回の『女優の卵展』も着々と動き始めています。今後、より企画を盛り上げて、憧れのレッドカーペットを歩きに行きます!

(プロフィール)

女優、映像プロデューサー
葵 芽美(あおい めぐみ)

■経歴
プロ野球専属チアリーダーとしてキャリアをスタート。米NBAや国内スポーツエンタメシーンにて出演を重ねつつ、ダンスインストラクターとして活動。その後、女優に転身し紀伊國屋ホールをはじめとする、さまざまな舞台に出演。映画への関心が高まり、女優として映像作品への進出を図りつつ、映像プロデューサーとしても活動中。現在、『女優の卵展』を主催し、映画制作に力を入れている。

■実績
・プロ野球横浜ベイスターズ専属チアリーダー
・米NBA にてチアパフォーマンス
・プライベートアクセサリーブランドTapisRougeオーナー
・『女優の卵展』プロデューサーとして映画・イベント制作

https://twitter.com/meg_a321

https://www.instagram.com/megumi.if/?hl=ja

https://www.tiktok.com/@ao3hi

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