松野博一官房長官は2日、午後の会見で2022年の日本の出生率が初めて80万人を割り込んだことに対し、少子化の進行は危機的な状況であり、「静かな有事」と認識すべきと述べました。また、その上で今後3年間を子ども子育て支援の加速に取り組む「集中取り組み期間」としているとコメントしました。
松野博一官房長官は「少子化の進行は危機的な状況で、わが国の静かなる有事として認識すべきものであり、社会機能の維持にも関わる待ったなしの先送りできない課題であります」と語っています。
厚生労働省が2日に公表した「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、2022年の出生数は77万747人で、前年の81万1,622人より4万875人減少しました。1899年の統計開始以来、初めて80万人を割り込んだとのことです。
また、合計特殊出生率は1.26で、前年の1.30より低下しています。2005年と並んで、過去最低を記録しました。松野官房長官は「出生数が5年間で20万人近く減少した」と指摘しており、子ども子育て政策は「わが国の社会機能の維持にもかかわる、待ったなしの先送りできない課題である」と説明しています。
出生数は減少しているが、死亡数は増加している
出生数の減少が大きな問題になっていますが、それとは別に死亡数の増加も問題視されています。2022年の死亡数は156万8,961人で、前年の143万9,856人より12万9,105人増加しました。死亡率については12.9で、前年の11.7より上昇しています。
なお、厚生労働省によると、死因順位の第1位は悪性新生物<腫瘍>で、全死亡者に占める割合は24.6%でした。第2位は高血圧性を除く心疾患で割合は14.8%、第3位は老衰で割合は11.4%となっています。
松野官房長官は、厚生労働省が公表した出生数の減少を踏まえて「今後3年間を子ども子育て支援の加速化に取り組む集中取り組み期間としている」と説明しており、その上で「次元の異なる少子化対策を推進することにより、若い世代が希望通り結婚し、希望する誰もが子どもを持ち安心して子育てのできる社会の実現を図り、少子化傾向に歯止めをかけたいと考えている」と述べました。
この1件に対し、ネット上では「今回のラストチャンスもダメそう」「若者たちの無言の抵抗なのでは?」「これを立て直すのは難しい」などの声が寄せられています。