
近年、オンライン診療でピルを処方するサービスが増加しています。オンライン診療のサービスでは、月経による下腹部痛や吐き気、頭痛などの不調を軽減するものとして、低用量ピルをメインに多種類のピルを処方しています。
オンラインで完結するため「安全性は大丈夫なのか」と心配されることが多いですが、実際のところ安全性は保たれているのでしょうか?オンライン診療でピルを処方するサービスの「ハーデイズ」は、テレビ電話での対面診療を取り入れています。
医師が相談者の表情を見ながら、問診の内容も考慮して適切な処方ができるよう、安全性を重視しているとのことです。「ハーデイズ」を手掛けるウィルミナ社の幸村潮菜社長は、「診療する医師は全員女性。相談のしやすさにも配慮した」と語っています。
また、「生理は我慢が当たり前と思われている」とも話しており、確かに日本のピルと言えば避妊薬のイメージが大きく、月経による不調を軽減する目的で使用している人はそう多くありません。幸村潮菜社長は、「妊娠する確率を下げることで、子宮内膜症など婦人科系の病気になりにくいなど、避妊以外についても研究結果がある。うまく活用すれば、さまざまな人の助けになると思う」と強調しています。
「ハーデイズ」では3種類のピルを取り扱っており、いずれも副作用が起こりにくいとされる低用量ピルです。テレビ電話を用いて患者の表情を確認し、効果を高めるために薬の使用方法や特徴を詳しく説明しています。
日本におけるピルの使用率は他国と比べて低い
国連が15〜49歳の世界各国の女性のピル使用率を調べたところ、日本は2.9%、米国は13.7%、オーストラリアは22%、英国は26.1%、フランスは33.1%であり、日本は他国と比べてピルの使用率が低いことがわかりました。
幸村潮菜社長は日本のピル使用率を見て、「ピルが持つ効果の認知率、服用率を上げたい」と語りました。ピルの使用は正しい知識を持ってうまく活用すれば、体調を管理する1つの選択肢になるとのこと。
また幸村潮菜社長は「働く女性もある意味アスリート。ピルが普及しても、『痛み止めを飲んで頑張っている』から『ピルを飲んで頑張っている』に変わるだけでは意味がない」と強調しています。
現在は個人向けの「ハーデイズ」ですが、今後は企業の管理職に向けた法人向けコンテンツとして広めることを目標にしています。今後の「ハーデイズ」の動向に注目が集まります。