6月1日、西日本から東日本の各地で記録的な大雨が発生しました。台風から湿った空気が流れ込み、前線が活発化して愛知県や静岡県では線状降水帯が発生。3日の午前中にかけては関東甲信でも雨が強くなり、東京や箱根などで6月の観測史上1位の大雨となりました。
各地を襲った大雨の影響で、首都圏外郭放水路がいま注目を浴びています。この首都圏外郭放水路は、低地が広がる中川・綾瀬川流域の浸水被害を抑えるために、地下50メートルを貫く総延長6.3キロの放水路として建設されたものです。
川の水量が多く、周囲に溢れ出した際には、河川の水を引き込み集めて調整しながら江戸川に流します。その施設の一部である調圧水槽には、59本の巨大な柱が密集しています。
江戸川河川事務所では、首都圏外郭放水路の様子をライブカメラで収めており、大雨により水がたまり、放流されている様子を確認できます。Twitterでは、このライブカメラによる映像を「20時半頃から現在に至るまでの首都圏外郭放水路。一進一退という感じで戦ってる感がすごいな。。」というコメントとともに投稿。
その映像を見た人たちは、大雨での都圏外郭放水路の活躍に対して「ありがとう日本の治水技術」「今回も目黒川は荏原調節池が守ってくれた」「神殿無かったら今頃埼玉は海になってたな ありがたや首都圏外郭放水路」などの声を寄せています。
この1件を受け、多くの人が都圏外郭放水路の見学会に足を運ぼうとしましたが、6月3日に予定していた見学会は大雨の影響で中止となりました。
6月4日以降の都圏外郭放水路の見学会
6月4日時点では、大雨の影響により立坑内に水が流入し、ポンプ稼働が行われているとのことで、安全上の観点から都圏外郭放水路の見学会は一時中止されています。ポンプ稼働が停止次第、一部コースを変更した稼働コースで案内が再開される予定とのことです。
本来、都圏外郭放水路は地下神殿「調圧水槽」の見学に加え、非公開だった作業用通路やポンプ室、ガスタービン部、インペラ部などが開放され、見学会は4つのコースが設けられています。すべてのコースで階段約100段の昇り降りがあり、エレベーターなどの設置がないため、自力で歩行できる方のみの参加となります。
【地下神殿コース】
- 定員:50名
- 所要時間:約55分
- 参加料金:1人1,000円
【立坑体験コース】
- 定員:20名
- 所要時間:約110分
- 参加料金:1人3,000円
【ポンプ堪能コース】
- 定員:20名
- 所要時間:約100分
- 参加料金:1人2,500円
【インペラ探検コース】
- 定員:20名
- 所要時間:約110分
- 参加料金:1人4,000円
見学会は事前予約制であり、申込方法は個人予約、学校団体予約、団体予約によってそれぞれ異なります。詳しい内容については、公式サイトをご確認ください。