世界的な慈善家である富豪のジョージ・ソロス氏は、自身が運営する「ソロス・ファンド・マネジメント」という金融・慈善活動団体を、37歳の息子アレックス氏に受け渡したと発表しました。この団体の資産は、250億ドル(約3兆4,700億円)にまで上ります。
ハンガリー出身で米国の国籍を持つジョージ・ソロス氏は、11日付のウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、息子アレックス氏が「それだけの働きをした」と述べています。
ソロス一族は長年にわたり、世界各地で民主主義の構築を支援するための資産を投じてきました。近年では、反ユダヤ主義の陰謀論への対策に注力していました。
息子のアレックス氏は、ソロス一族のなかでも特に団体の活動に関与しています。彼は「ソロス・ファンド・マネジメント」の投資委員会に所属しており、一族と同団体の250億ドルを管理しているとのことです。
2022年12月には、ジョージ・ソロス氏が設立した「オープン・ソサエティ財団」という、慈善団体の会長職も引き継いでいます。その上、「特別政治活動委員会(スーパーPAC)」の管理も一任されていました。
アレックス氏は「政治からお金をなくしたいのは山々だが、向こう側が(大金をつぎこんだ活動を)している以上、こちらもせざるを得ない」と、ドナルド・トランプ前大統領が2024年大統領選に出馬していることに対し、対抗する運動を実施すると述べています。
息子アレックス氏は民主主義を支えるための活動を推進
息子アレックス氏は父親の活動を受け継ぎ、言論の自由、刑事司法改正、少数者や難民の権利、そしてリベラル派政治家の支援など、多岐にわたるテーマの活動を進めていく方針であるとのことです。
一方で、米国の国内課題をこれまで以上に重視しながら、投票権、人工妊娠中絶、ジェンダー平等への取り組みなども推進していくとしています。
アレックス氏は父親とは異なり、社交界での活動が注目されることが多く、「派手で華やかな」社交活動として広く知られています。その一方で、アマゾンの奥地を訪ねたり、人権擁護団体「グローバル・ウィットネス」の理事を務めたりなど、意外な一面を持ち合わせているのが特徴です。
今回の1件を受け、ネット上では「それにしてもすごい資産」「財団作って第三者への寄付に充てるもの作ってほしかった」「なんだか残念」など、さまざまな意見が寄せられています。