IT大手の米Appleが時価総額で再び世界トップに返り咲きました。13日の取引でApple株価は0.6%上昇し、時価総額は3兆2,850億ドル(約516兆円)となり、元1位のMicrosoftを抜きました。1月以来の快挙です。
Apple株は11日から3日連続で上昇し、3日間の上昇率は約11%、時価総額を3,239億ドル押し上げました。株価上昇の背景には、AI分野での優位性に対する投資家の期待があります。
ウェイブ・キャピタル・マネジメントのリース・ウィリアムズ氏は、「AppleがAIの勝者になるとの確信が強まっている」と指摘しています。また、MicrosoftとNVIDIAとの三つ巴の争いになると予測しています。
起爆剤となったのは、Appleが世界開発者会議で新しいAI機能「Apple Intelligence(アップル・インテリジェンス)」を発表したことです。バンク・オブ・アメリカのワムジ・モハン氏は、「AI機能の搭載により数年にわたるアップグレードサイクルを促す可能性が高い」と分析。買い換えや他社からの乗り換えが加速し、価格上昇にも繋がると予測しています。
AppleのAI戦略が功を奏し、株価が大きく伸びる可能性が出てきました。今後のAppleの動向から目が離せません。
新しいAI機能「アップル・インテリジェンス」とは?
Appleは10日、iPhoneやタブレット端末、パソコンの基本ソフトの最新モデルに「アップル・インテリジェンス」を導入すると発表しました。この新機能により、ユーザーの利便性が大幅に向上すると期待されています。
「アップル・インテリジェンス」は複数のアプリと連携し、メールの内容を要約して重要な順番に表示する機能を有しています。また、保存された写真から画像や絵文字を生成するなど、AI技術を活用した革新的な機能も搭載される予定です。
さらに、音声アシスタント機能「Siri」も大幅に進化する見込みです。より自然な会話を可能にし、さまざまな計画の作成をサポートします。デモ機能では、場所を言い間違えても正しく認識し、関連する予定を入れることができていました。
Appleのティム・クックCEOは、「Appleの人工知能は、あなたが一番大切に思うことを手助けできるように、パワフルで直感的で使いやすくあるべきです。何よりもあなたを理解し、あなたの習慣や人間関係、コミュニケーションなどの個人的な文脈に根ざしたものでなければなりません」と述べ、「アップル・インテリジェンス」の意義を強調しました。