メルセデスベンツに「ChatGPT」を試験搭載 MBUX搭載の約90万台が対象
メルセデスベンツは15日、音声で車内の機能を操作するシステムに、AIチャットボット「ChatGPT」を試験的に搭載すると発表しました。試験運用は米国で行われ、対象となるのは「MBUX」を搭載した90万台以上の車両です。
「ハイ、メルセデス」と呼びかけて起動する音声アシスタントに、いま話題のChatGPTを組み合わせることで、より直感的なものにすることを狙っています。この音声アシスタントは、既にスポーツや天気の最新情報の提供、周囲の環境に関する質問への回答、スマートホームの操作といった機能を備えています。
メルセデスベンツはこれまでも便利なシステムを導入してきましたが、今回のマイクロソフトとの提携により、より自然な会話に近いやり取りを可能にし、詳細な情報提供や多岐にわたる質問への回答が可能になるとのことです。
ChatGPTの導入により、音声コントロールの補完と自然言語の理解力向上を目指し、対応可能なトピックの拡大を試みます。なお、利用者のセキュリティやプライバシーは保護した上で、得られたデータをクラウド上で分析・蓄積していくとのこと。
メルセデスベンツによると、自動車の音声操作にChatGPTを採用するのは初めてだと言います。この新たな試みがどのような効果をもたらすのか、業界からも注目が集まっています。
ChatGPTの世界の利用状況|日本では利用率7%にとどまる
ChatGPTはいま、ビジネス分野において広範囲で利用されています。ChatGPTは特に言語理解や質問応答、言語生成、文章分類といった領域が得意であり、業務効率化の一助となっています。
その一方で、ファクトチェックや機械翻訳、長文処理、エンターテインメントといった領域では、多くの課題を抱えているのが現状です。
MM総研がまとめたChatGPTのビジネスでの利用動向調査によると、日本における利用率は7%にとどまります。一方で米国では、半数以上がChatGPTを積極的に利用しているとのことです。
日本と米国での利用率に開きがあることが、MM総研の調査で明らかとなりました。また、MM総研は日米の企業や団体の社員を対象に調査を行った結果、新技術の活用に積極的な企業がChatGPTを導入している段階であることがわかりました。
特に、エネルギーや情報通信、学術研究といった分野では導入の積極性が顕著です。しかし、日本における認知度はまだ十分とは言えず、4割以上の人が「ChatGPTを知らない」と回答しています。