自動車メーカースズキの株主総会が浜松市で開催されました。その株主総会で、2000年のシドニーオリンピック・女子マラソンで金メダリストの高橋尚子氏が社外取締役に新任しました。
今回のスズキの株主総会には、217人の株主が参加しています。2022年度の業績は売上高が前期比で30.1%増の4兆6,416億円であり、経常利益は前期比45.6%増の3,828億円でした。売上高が4兆円を超えるのは今回が初めてで、大幅な増収増益になったことが報告されました。
株主総会では8人の取締役が選任され、唯一の女性役員として高橋尚子氏が社外取締役として新任。アフリカなどの新興国での事業拡大に向け、高橋尚子氏が引退後に取り組んでいた途上国での活動経験を生かし、その助言と監督が期待されています。
株主からは、「びっくりした僕らも株主としては歓迎ですよ」「高橋尚子といったら日本だけでなく、世界でも名が知られているから、そういう面でスズキのアピールに貢献するんじゃないか」などの声があがっています。
一方で、同社の今後の課題として、鈴木俊宏社長はカーボンニュートラル社会の実現や新興国への貢献を掲げており、そのために2030年度までに設備や研究開発に4.5兆円規模の投資を行うと宣言しました。
ネット上では、「正規社員としては否定的な人も多いだろうな」「世界一にまでになる努力をした人間は絶対に一般とは違う」「女性役員の登用はいいことだと思いますし、積極的にしていくべきとは思う」などの意見が寄せられています。
2031年3月期の連結売上高の目標は7兆円規模
浜松市で開かれた定時株主総会で、スズキは大胆な売上高目標を公表しました。鈴木俊宏社長は、2031年3月期の連結売上高の目標について「7兆円規模を目指して挑戦を続ける」と宣言したのです。
さらに鈴木俊宏社長は、内燃機関への姿勢について株主から問われた際に、「電気自動車(EV)だけがすべての解だとは思っていない。バイオガスなどにも取り組む」と述べました。
また、スズキはAIを活用して業務を効率化していることも紹介。生成AIであるChat GPTの社内での活用方法を紹介し、「AIに使われないよう考える仕事は人間がやる」と説明しています。
株主総会の所要時間は1時間35分で、株主は217人出席しました。スズキの今後の動向に注目が集まります。