7月1日より一定の基準を満たす電動キックボードについて、16歳以上の人は運転免許なしで利用可能となります。交通ルールは自転車と同様のものが適用されます。
対象となる電動キックボードは、最高速度が時速20キロ以下で、速度表示ランプが装備されており、大きさが一定のものなどです。16歳未満の人は運転が禁止されており、ヘルメットの着用は努力義務とされ、車道を走行することが原則とされています。
スマートフォンの使用や酒気帯び運転は道路交通法に抵触し、これらを繰り返すと安全講習を受講する必要が出てきます。岡山県警察本部は、「改めてルールを確認して安全な利用に努めてほしい。車両の一つであることには変わりないので、命を守るためにもヘルメットを着用するように」と、電動キックボード利用時の安全運転を強く訴えました。
電動キックボードの交通ルールが変更された理由
電動キックボードは法律上、これまで原付きバイクやオートバイに分類されていましたが、7月1日から施行される改正道路交通法により、その位置付けが変更となります。
電動キックボードの交通ルールが変更された理由は、実態と交通ルールが合っていなかったためです。電動キックボードのなかには、歩行者や自転車並みの速度でしか走行できないものもあり、当初の交通ルールとその実態が適切でないことから、交通ルールの見直しが入りました。
一定の要件を満たす電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」とされ、使用する際に運転免許は必要ありません。しかし、電動キックボードの販売業者には、購入者や利用者に対する安全教育を行う努力義務が課せられています。
これは、電動キックボードに関する事故が増加している現状に対する措置です。過去3年間において全国で74件の事故が発生しており、その内、死亡事故が1件、怪我の事故が76件含まれます。
事故の形態については、四輪車との衝突が31件と最も多く、次いで自転車、歩行者、二輪車との事故が続きます。また、電動キックボードに乗っていた人が交通違反で検挙されたケースは、2021年9月から2022年12月末までに全国で1,843件発生しました。
電動キックボードについては全国的に事故が発生しているため、交通ルールが見直されたとはいえ、運用には気を付ける必要があります。岡山県警は今後、警察官を対象にした電動キックボードの講習や警察署にチラシを貼るなどして、利用者に安全運転の啓発を行う予定です。