そごう・西武の売却に反対する労働組合は8月31日、西武池袋本店でストライキを実施しました。当日には300人規模のデモ行進が行われ、この影響で西武池袋本店は臨時閉館となりました。
このストライキは、親会社のセブン&アイHDがそごう・西武を、アメリカの投資ファンドに売却することを決めたのが発端となります。労働組合が雇用などへの懸念から反発し、「売却を強行しないと明確にすること」をストライキ回避の条件としていましたが、交渉は不調に終わりました。
大手デパートでストライキが行われるのは約60年ぶりです。普段は人々で賑わう池袋の街が、ストライキにより一変した風景を見せました。
セブン&アイHDの井阪隆一社長は、「多くのお客様・関係者にご迷惑を大変、お掛けしています。申し訳ございません。ストが長引かないよう精一杯、収束に努めて参ります」と発言しています。
ネット上では、「ストを応援します」「もっとやってもいいと思いますし、日本の現状を考えれば理解を示す国民は多いはず」「ここでストもせず、なすがままされるがままでは労働者が舐められるだけ」という意見が寄せられています。
米投資ファンドへ百貨店のそごう・西武を約2,200億円で売却
セブン&アイHDは31日に臨時取締役会を開き、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループへ、百貨店のそごう・西武を約2,200億円で売却することを決定しました。売却に伴い、およそ900億円の債権放棄が計画されています。
8月31日には労働組合によってストライキが行われ、店舗は臨時休業となりました。しかし、9月1日からは新しいオーナーの下、西武池袋本店は通常通り午前10時から営業を再開しています。
ストライキの影響は残るものの、一部の催事が予定より1日遅れでの開始となった以外は、通常通りの営業を維持しています。従業員の女性は「昨日は休んでいた。お客様に迷惑をかけて申し訳ない。改めてがんばっていきたい」と意見を述べました。
セブン&アイHDは、全国10店舗での百貨店事業を継続していく方針を明らかにしました。なお、そごう・西武の売却を巡っては、百貨店事業の継続や雇用維持が難しくなるとして、当初は2023年2月1日を予定した売却は2度延期されています。今後のセブン&アイHDと米投資ファンドの動向に注目が集まります。