中国政府は政府職員らに対し、iPhoneの使用を禁止したと米メディアが伝えました。この影響を受け、ニューヨークの株式市場でAppleの株価が下落し、時価総額は7日までの2日間で約1,900億ドル(約28兆円)分が消失しています。
6日にアメリカメディアによって、中国政府が中央政府機関や国有企業の職員に対し、iPhoneの使用を禁止したと報じられてAppleの株価が急落。その後の7日にも、約3%の値下がりを見せ、取引は177ドル56セントで終了しました。
Appleの中国市場での売り上げは全体のおよそ2割を占めており、専門家は「これを機に、市民たちも国内メーカーの機器に乗り換えるような事態になれば、アップルにとってさらに大きな脅威になる」との見解を示しています。
ネット上では、「中国の議員さんだけじゃなくて市民にまで禁止にするのはどうかと?」「アメリカも中国製全て使用禁止にしちゃえばいいのに」「大した事ではない。株価なんてすぐに戻ってくる」などの意見があがっています。
中国による規制は日本でも|日本産水産物輸入を停止
8月24日、東京電力が原発の処理水放出を始めたことを受け、中国は日本からの水産物の輸入を包括的に停止すると発表しました。中国が日本の水産物の輸入を停止した件に関し、WTO(世界貿易機関)への提訴も検討すべきだという意見もあがっています。
松野官房長官は「これまでも、中国による科学的根拠のない輸入規制にはWTOの場でも問題提起してきている。今回の措置もさまざまな選択肢を念頭に、WTOの枠組みなどのもとで必要な対応を行っていく」との立場を明らかにしました。
また、政府の中には極端な対立を避けて冷静に対応し、措置撤廃の働きかけを続けていくことが望ましいとする声もあがっており、中国の次の行動を慎重に見極めながら対応を判断する方針です。
記者会見で松野官房長官はさらに、「中国が現行の輸入規制措置に加えて、科学的な根拠に基づかない新たな措置を導入したことは極めて遺憾だ。中国側には即時撤廃を求める申し入れを行ってきており、科学的根拠に基づいた議論を行うよう強く求めていく」と発言し、中国に対してその撤回を強く求めました。
一方で、立憲民主党の泉代表は「中国の対応は誤りで、撤回を求めていくべきだ。ただ、WTOでも中国の存在感は高くなっているので、提訴して実際に前に進むのか、中国側の態度を硬化させてしまう可能性なども考慮しなければいけない」と発言しています。