
ニュージーランドの総選挙で、中道右派の国民党が第1党の座を獲得しました。24日、国民党は友党であるACT党、そしてポピュリスト政党のNZファースト党と共に連立政権の樹立に合意しました。
27日には新政権が発足し、国民党のクリストファー・ラクソン党首が首相に就任。クリストファー・ラクソン首相は記者会見で、国民のために強力で安定した政権を築くという目標を掲げました。
また、連立を組む三党は、2009年以降に生まれた人々に対する紙巻きたばこの販売を禁止する法律を撤廃することで一致しました。この連立政権形成のプロセスは約20日間を要しています。
交渉が長引いた原因は、外国人の住宅購入に関する政策の相違や大臣ポストを巡る争いとされています。特筆すべきは、副首相ポストをNZファースト党とACT党が1年半ずつ担当するという、異例の体制が採用されたことです。
ニュージーランドの選挙制度は、小選挙区制と比例代表制を組み合わせたユニークな形態を取っています。投票結果に応じて定数が変動することがあり、今回の選挙では議席数が122に増加しました。
最終的な議席分布は、国民党が48議席、労働党が34議席、緑の党が15議席、ACT党が11議席、NZファースト党が8議席、マオリ党が6議席を獲得したと報じられています。
ニュージーランドの新政権、「たばこ禁止」法の撤廃を決定
ニュージーランドの新政権が、昨年に成立したたばこ禁止法の撤廃を決定しました。この法律は、2009年1月1日以降生まれの世代へのたばこの販売を禁じ、違反者には最大150万NZドル(約1,360万円)の罰金を科す内容でした。来年7月までに施行される予定だったこの法律は、多くの注目を集めていました。
しかし、クリストファー・ラクソン新首相はこの法律に異を唱え、「国内の喫煙率は下がっている」と強調し、法の施行は闇市場の拡大を招くと主張。同時に、禁煙教育の継続を表明しました。
一方、英国も若者の喫煙率を段階的に下げる計画を発表し、ニュージーランドの方針変更には追随しない構えです。ニュージーランドのウィリス財務相は25日、来年3月までに法律を撤廃し、たばこ販売による増収を減税に役立てる方針を示しています。
この政策変更に対し、ヴェラル前保健相は強く反発し、「喫煙率を下げて8万人の命を救うための措置を、減税のために覆すとは」と非難しました。また、反たばこ団体からも「国民の命がたばこ業界の犠牲になる」との失望の声があがっています。