最近の研究により、バイアグラなどの男性機能不全(ED)治療薬を服用する男性が、アルツハイマー病の発症リスクを18%低減できる可能性が明らかになりました。この調査結果は、学術誌「ニューロロジー」に7日発表され、認知症研究の分野で注目を集めています。
アルツハイマーズ・リサーチUKからは、すでに市場に出ている薬の再利用が、認知症の予防や治療の新たな進展に繋がる可能性があるとのコメントがありました。この研究は、ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームが行ったもので、40歳以上でEDと診断された26万人以上の男性のうち、診断後にアルツハイマー病を発症した約1,100人を調査しました。
その結果、ED治療薬を服用したグループは、そうでないグループに比べてアルツハイマー病の発症率が18%も低いことが判明しました。この発見は、既存の治療薬が持つ未知の効果を再評価するきっかけとなり、将来的に認知症治療法の発展に貢献する可能性を秘めています。
ネット上では、「ほんとに効果があるなら良い事と思う」「わざわざED薬飲まなくても、脳血流UPならサウナでいいと思う」「性的な興味がある人はボケにくいというだけではないでしょうか?」などの意見がみられました。
2021年の研究では、アルツハイマー病のリスクを69%低減
最新の研究では、PDE5Iの成分を含むバイアグラのようなED治療薬が、脳への血流を増加させ、脳細胞のエネルギー消費を減らすことで脳の健康を改善し、結果的にアルツハイマー病のリスクを低下させる可能性があることが示されました。この発見は、糖尿病や高血圧を抱える高齢男性において、バイアグラがアルツハイマー病の発症リスクを69%も低下させたという2021年の研究により裏付けられています。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのルース・ブラウアー講師は、「初期のアルツハイマー病患者の間では、この病気の発症を予防したり遅らせたりするための治療法が切実に求められている」と述べています。しかし、2022年に行われた別の研究では、バイアグラやシアリスが高血圧患者のアルツハイマー病リスクを減少させる効果は確認されませんでした。
今回の論文の研究者たちは、研究期間が短すぎた可能性を指摘しています。一方で、鼻をほじる行為がアルツハイマー病の発症リスクを高める可能性があるとも示唆されており、日常の小さな習慣が健康に与える影響について改めて注意を促しています。