
大手回転寿司チェーン「くら寿司」でしょうゆ差しを舐めるなど、迷惑行為の様子を撮影してインターネットに動画を投稿したとして、威力業務妨害の疑いで愛知県警中署は8日、無職の吉野凌雅容疑者(21)を逮捕したと発表しました。
捜査関係者によれば、吉野凌雅容疑者は「申し訳ないことをした」と容疑を認めているとのことです。回転寿司チェーンを中心に、迷惑行為の動画投稿が相次ぐなか、客の逮捕は今回が初めてだとされます。
また吉野凌雅容疑者は事件直後に、「この度は、寿司を乱暴に扱ってすいませんでした」と謝罪する動画がインターネットに投稿されていたことが、捜査関係者への取材でわかりました。その後、本人のものと思われるTwitterアカウントでは、「みんな俺と寿司食べに行ったら人気者になれるよ」と投稿しています。
被害届の提出や各社が厳格な措置を取り始めていた時期と重なっていることから、捜査を逃れる目的で投稿した可能性があるとされていますが、9日に吉野凌雅容疑者らは送検されました。くら寿司によると、店や会社への謝罪はなかったとのことです。
この逮捕を受けてくら寿司は、「中署の迅速な行動に感謝する。お客さまとの信頼関係に基づく仕組みを根底から揺るがす迷惑行為が『犯罪』であるということが広く世のなかに認知され、模倣犯がなくなることを切に願う」とコメントしています。
迷惑行為の内容|被害届の提出が相次ぐ
吉野凌雅容疑者が投稿した動画は、レーンの上を流れる寿司を手づかみで取り、そのまま口に押し入れ、しょうゆ差しの容器から直接口に流し込むという内容です。10秒あまりの動画で、笑いながら迷惑行為をしている様子が映し出されています。その件を受け、くら寿司は2月4日に被害届を提出しています。
ネット上では、「模倣犯を防ぐためにも逮捕されてよかったと思う」「絶望的な額の損害賠償請求が一番効果的だと思う」「一緒になって撮影している人間も同罪だと思うが…」などの意見が見られました。
また類似の迷惑行為として、「スシロー」の運営会社は「引き続き刑事、民事両面から厳正に対処する」とコメント。迷惑行為をした当事者と保護者から謝罪を受けましたが、スシローは警察に被害届を提出したとのことです。
そのほか、迷惑行為を受けて被害届の提出を検討していた「はま寿司」も、すでに被害届を出していることが判明しています。類似の迷惑行為を受けた「資さんうどん」など、各種チェーンも厳格な措置を取っています。