指を切断しても配達を優先 配達業界の厳しい職場環境が浮き彫りに

24日夕方、京都府舞鶴市の路上で人の指の一部が落ちているのを小学生が発見しました。母親が警察に通報。一時は「暴力団の抗争では?」と騒がれていましたが、警察が調べたところ、その指の一部は舞鶴市に住む配達員の60代男性のものであると判明しました。

警察によると、男性は24日午後、配達中に車のスライドドアに指を挟んで切断したものの、その指を路上に落としたまま配達を続けたとされます。警察は男性の説明に矛盾はないとして、事件ではないと断定。男性は病院に行っていなかったとのことです。

切断された指は第一関節よりも先の部分で、長さは約2cm。爪はついたままで、切断面からの出血はなかったとされます。その悲惨な事件を知った近隣住民は「なぜこんな住宅街で、こんなことが起きたのか」とコメントしています。

指を切断した男性は警察に対し、「配達中にスライドドアに挟んでけがをしたが、配達を続けた」と説明しました。

指を切断しても業務を続けなければならない労働環境について、ネット上では「労働環境は明らかにおかしい」「大怪我でも仕事を続けなければならないところに闇を感じる」など、労働環境を批判する声が多数あがっています。しかしその一方で、「配達を優先してしまう精神状態はわかる」「大量の配達を抱えているから病院に行けないのかも」といった意見も一部見られました。

4月14日に日本郵政グループは文書を発表

日本郵政グループは4月14日、公式HPにて「集配関係委託契約に関する協力会社とのパートナーシップ構築に向けた取組について」を発表しました。

内容としては、2023年2月9日〜同年2月28日の間に、全国の集配郵便局1,001局および全国 13支社に対し、郵便局および支社に対してアンケート調査を実施。集配関係委託契約における下請代金支払遅延等防止法に基づき、親事業者が実施すべき事項の実施状況について、自主点検したというものです。

具体的には、下請事業者に対する発注方法、下請取引に関する書類などの保存、下請代金の支払い、下請代金の額の決定、経済上の利益の提供要請など、下請け業者との取引において親事業者に求められる対応、および禁止事項などの実施状況を確認しました。

その結果、「親事業者に求められる対応に関して、一部に改正後の運用基準などを踏まえた取り扱いが行われていない」という実態が判明。さらに、一部に下請取引に関する正しい理解が不足している事例があったとのことです。

具体的な事例として、下請け業者から値上げの要請があった際に不適切な対応をした、下請け業者に日本郵便の営業用物品を無償で配達させた、などが挙げられます。この文書では起こった原因について、「日本郵便本社の認識および指示が遅れたため、郵便局および支社への理解浸透が徹底されなかったことによるもの」と説明しています。

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