東京農業大学は9月26日、栃木県塩谷町でスギの雄花を枯らすための薬剤の試験散布を行いました。この試験散布は、林野庁が進める花粉発生源対策推進事業の一環で、薬剤の有用性を確認する詰めの試験として実施されました。
薬剤の散布はノズルを装備した有人ヘリコプターを利用し、計6万平方メートルの町有林に行われました。使用された農薬「パルカット」は、東京農業大学と民間企業が共同開発したものです。主成分には食品添加物の「トリオレイン酸ソルビタン」が使用されており、花粉の形成を阻害する効果があります。
過去にはドローンなどを使った試験散布も行われ、花粉の発生を抑えるとともに、木材としてのスギの価値を向上させる効果があるとされます。日本政府は花粉症対策の一環として、10年後にスギの人工林を2割削減し、30年後には花粉の発生量を半減させるという目標を立てています。
この取り組みについて、東京農業大学の小塩海平教授は「パルカットの実用化が花粉症対策になる」とコメントしています。ネット上では、「すばらしい事例」「重度の花粉症なので、あたらしい技術の開発が本当に嬉しい」「東京農大頑張れ!超頑張れ!」などの意見が寄せられています。
政府は花粉症の抑制に積極的|スギ花粉の抑制に補助金
政府は花粉症の抑制に積極的な姿勢を示しています。10月末に取りまとめる予定の経済対策に、スギ人工林の伐採機械の導入を後押しする補助金を含む方向で政府が調整を進めています。
この動きは花粉症の対策として、スギ花粉の飛散を制限する狙いが背景にあります。さらに、伐採された木材の加工や流通施設の整備、花粉の発生が少ないスギへの植え替えを支援する施策も同時に検討中です。具体的な対策については、10月前半に開催される花粉症対策の閣僚会議で詰められる予定です。
支援対象となるのは「高性能林業機械」と称される機械で、足場の悪い林道でも伐採や運搬を1つの機械で行えます。また、この機械は現地で丸太の加工も可能で、従来のチェーンソーなどと比較して、作業効率の向上や負担の軽減が期待されています。
このように日本政府は花粉症の抑制に積極的であり、「スギ花粉を抑制してくれるのは嬉しい」「こういう施策にもっと力を入れてほしい」などの声があがっています。今後の花粉症対策にも注目したいところです。