吉野家の「紅しょうが直食い男」に懲役2年4ヶ月・罰金20万円の実刑判決

大阪地方裁判所は15日、吉野家の店内で共用の紅しょうがを自身の箸で直接食べたとして、器物損壊と威力業務妨害の罪に問われた建築業の嶋津龍被告(35)に対して刑罰を下しました。高橋里奈裁判官は「身勝手で悪質な犯行」として、嶋津龍被告に懲役2年4ヶ月と罰金20万円を言い渡しました。

この判決は、求刑されていた懲役3年6ヶ月及び罰金20万円よりも若干軽いものです。嶋津龍被告は営利目的で大麻を栽培するなどしており、大麻取締法違反の罪でも訴えられています。この二重の罪に対する裁判は、吉野家店舗での行為と並行して考慮されました。

事件は2022年9月29日未明に発生しました。嶋津龍被告は大阪市住之江区の吉野家店舗で、共用の紅しょうがを箸で直接口に運び、店舗の業務を妨害しました。この一部始終は、35歳の知人男性によって動画撮影され、SNSで広く拡散されています。

高橋里奈裁判官は量刑理由で、「店舗への悪影響を顧みなかった」と嶋津龍被告を非難しました。その上で、事件後の大麻栽培を加味して「規範意識が乏しく、刑事責任は重い」と指摘しています。

この一連の出来事は、公衆の衛生に対する意識の重要性と、SNSの拡散力がもたらす影響の大きさを改めて浮き彫りにしました。ネット上では、「個人的には懲役はゼロ一つ、罰金はゼロ二つほど間違っているような気がします」「35歳で、この馬鹿げた行動は救いが無い」「普通の人格ならこんな事はしないし、矯正しないとまたやるよ」などの意見が寄せられています。

犯行動機は極めてシンプル 嶋津龍被告「みんなを笑かしたい」

警察による取り調べで、両容疑者は自らの行為を認めており、嶋津龍被告が「みんなを笑かしたい」という動機で行動していたことが明らかになりました。迷惑行為を撮影してSNSに投稿した岡敏秀被告(34)も、「私はめっちゃおもしろくて、みんなに見てほしかったので動画をSNSに上げた」と供述しています。

しかし、迷惑動画を投稿したことに対して知人から「これアカンで、たいへんなことやで」と注意を受け、その後に動画を削除しました。2023年2月22日、事件とは無関係の客からの情報提供を受け、吉野家は警察に被害届を提出しています。

嶋津龍被告は建築業を営む人物で、築20年以上のオートロック式デザイナーズ賃貸マンションに居住していることが判明しています。2010年にプロボクサーのC級ライセンスを取得しましたが、同年には所属ジムを去っています。

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