イーロン・マスクらがAI開発の一時停止を呼びかけ 1,000人以上が署名
実業家のイーロン・マスク氏や人工知能(AI)の専門家などは、AIシステムの開発を最低6ヶ月間は停止するよう、主要のAI研究施設に呼びかけました。このままAI開発を続けると、社会にリスクをもたらす可能性があるとしています。
人工知能チャットボットの「ChatGPT」を開発したOpenAIは、3月14日に最新の言語モデル「GPT-4」をリリースしました。この言語モデルは、これまでのAIよりも機能が格段に向上しています。
今回AIシステムの開発停止を呼びかけた際も、この「GPT-4」について言及しており、開発停止の対象はこれを上回るシステムだとしています。
署名活動を始めたのは、非営利団体の「フューチャー・オブ・ライフ・インスティチュート」です。これにはイーロン・マスク氏のほか、Apple共同創設者のスティーブ・ウォズニアック氏や米アルファベット傘下ディープマインドの研究者たち、計1,000人以上が署名しています。
独立した有識者が先端AI開発の安全性に関する共通規範を策定、実行、検証するまで、最低でも6ヶ月間はAIの開発を停止するよう呼びかけました。また「強力なAIシステムは好ましい効果があり、そのリスクが管理可能であると確信できる場合にのみ開発されるべき」だとしています。
さらには「人間に匹敵するインテリジェンスを備えたAIシステムが、社会と人類に深刻なリスクをもたらす可能性がある」とも言及しています。この件についてネット上では、「ターミネーターの世界がやってくる」「便利なものは使い方次第だ」「自分たちが出遅れたから待ってほしいだけでしょ」など、否定的なコメントが多く見られました。
「問題解決にはならない」とビル・ゲイツ氏が言及
米マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏は4月3日、イーロン・マスク氏らが行う署名活動について、「問題解決にはならない」との見解を示しました。世界中でAI開発を停止するのは困難だという考えを示し、その上で開発の最善の利用法に集中すべきだとしています。
さらにビル・ゲイツ氏は、「ある特定の集団に停止を求めることで課題が解決されるとは思わない」と意向を示しており、続けて「必要なのは注意すべき分野を特定することだ」と述べました。
そのほか、実業家であるホリエモンこと堀江貴文氏も、今回の署名活動について同じく反対意見を示しています。自身のYouTubeチャンネルで動画を投稿し、「AI開発を停止させても意味がない」という旨を詳しく解説しました。