NASAは長期間にわたり宇宙の深遠へと旅しているボイジャー2号の最新の状況を公表しました。この宇宙探査機は1977年の打ち上げ以来、太陽系の外側へと飛行し続けており、その調査は現在も進行中です。
最近では、ボイジャー2号のソフトウェアを更新するために18時間にわたるパッチの送信が完了したとのことです。2023年10月28日にコマンドの発行が実施され、パッチが正常に動作しているかどうかの確認が行われました。
元々は木星と土星を探査する4年間のミッションでしたが、ボイジャー2号は天王星や海王星への探査任務を経て、太陽圏外探査という未知のミッションへと目的が変更されました。
これまで50年以上にわたるミッションが遂行されていますが、2022年にボイジャー1号でアンテナ姿勢制御システムの不具合が発生。原因ははっきりしないものの、NASAは姿勢制御システムが誤ったモードに入ったと判断し、類似のトラブルを未然に防ぐ措置として、ボイジャー2号にも予防的なパッチを適用したのです。
ボイジャー1号は約150億マイル(約241億km)、ボイジャー2号は約120億マイル(約193億km)という地球から見て計り知れない距離にありますが、NASAの技術と精密な運用により、依然としてこれらの探査機からのデータ収集が可能となっています。
アップデートと同時にスラスター内部の燃料残留物への対応も
NASAのボイジャー2号にソフトウェアのパッチが届けられ、無事アップデートが完了しました。同時に両機の寿命を延ばすために、スラスター内部に蓄積された燃料残留物への対応も行われています。
ボイジャーは現在、3方向の回転を駆使し、通信のためアンテナを地球方向に維持しており、その過程で微量ながら残留物がチューブに溜まり続けています。2023年の9月と10月には推進剤の流れるチューブ内の蓄積を緩やかにするため、ボイジャーの回転範囲を1度拡大させるコマンドが送信されました。
これによりスラスターの点火頻度が減少し、結果として機体の運用寿命延長に寄与することが期待されています。スラスターチューブの詰まりによる問題がいつ発生するかは特定できませんが、取り組まれた予防策によって、最低でも5年間はその心配がないと専門家は予測しています。
ボイジャープロジェクトのプロジェクトマネージャーを担当するスザンヌ・ドッド氏は「ボイジャー1号・2号は、これまでに星間空間で運用された唯一の宇宙船なので、彼らが送り返してくるデータは、私たちのローカル宇宙を理解する上で、他に類を見ない価値があります」と強調しています。今後のボイジャープロジェクトの進展に世界が注目しています。