
霧島酒造株式会社が販売する芋焼酎6品目が、2023年2月中の出荷をもって販売を休止することが、霧島酒造の公式サイトで発表されました。販売休止の対象商品は、「黒霧島」と「白霧島」の紙パック5品目と、瓶入りの「白霧島」の計6品目です。
発売休止の理由は、2018年に初めて国内で確認された「サツマイモ基腐病」の拡大により、さつまいもの収穫量が減少し、これまでの品質を維持するのが難しくなったためだとされます。
そもそも「サツマイモ基腐病」とは、さつまいもの茎の地表面に位置する部位が黒や暗褐色に、茎葉は黄色や紫色に変色し、症状が進行すると枯死するという植物の感染病のことです。感染力が強く、同じ畑で栽培すると発病を繰り返す可能性があることから、多くのさつまいも農家がこの「サツマイモ基腐病」に悩みを抱えています。
なお、現時点では「黒霧島」と「白霧島」の販売再開時期は未定です。販売再開が決まり次第、公式サイトで告知されるとのことです。ネット上では、「大好物だから困る」「販売再開の時期が早く決まってほしい」「残念で仕方がない」などの声があがっています。
濵田酒造が販売する芋焼酎の一部商品も販売休止
2022年4月1日、濵田酒造株式会社も「サツマイモ基腐病」を理由に、芋焼酎の一部販売休止を公式サイトで発表しました。
販売休止の対象商品は「本格芋焼酎海童」や「本格芋焼酎赤薩摩富士」の計7品目で、4月1日から当面の間、販売を休止するとのことです。現時点では、霧島酒造の商品と同じく、販売再開の目処は立っていません。
濵田酒造の平石智也コミュニケーション部長は、「販売休止を解消できず残念。お客さまに対して恐縮するしかない」と発言しています。
一部商品の販売休止を発表した霧島酒造や濵田酒造だけでなく、芋焼酎を販売する各メーカーが危機感を募らせています。鹿児島の芋焼酎を販売する大海酒造は、芋の収穫時期を早めるなどの工夫をしましたが、当初計画した量を収穫できませんでした。
また、「さつま白波」をはじめとし、「枕崎」「南之方」「神の河」を提供する薩摩酒造も、計画通りに芋を確保できていません。薩摩酒造に至ってはコスト高騰なども相まって、2022年10月1日に一部商品を値上げしています。
「サツマイモ基腐病」の感染拡大による影響で、芋の生産をやめてしまった農家も増加しているとのことです。いずれにしても、芋の収穫に関しては危機的状況を迎えています。