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イーロン・マスク氏が代表を務めるスペースXは1月3日、世界中の地域に携帯電話サービスを提供する目的で、最初のスターリンク衛星を打ち上げたと発表しました。2日に打ち上げられた21基の衛星のうちの6基は、携帯電話に直接接続できるとスペースXが公表しています。
この新しい衛星群は、携帯電話に直接接続できる「Direct to Cell(ダイレクト・トゥ・セル)」型として設計されており、宇宙における携帯基地局としての役割を果たすことが期待されています。
初期のテストは米国のT-モバイルが担当し、特別な機器なしで4G LTE対応のスマートフォンが利用できるようになるとのことです。スターリンクは2024年後半にテキスト・メッセージング・サービスを開始し、2025年にはより包括的な音声、データ、IoTサービスを展開する予定です。
イーロン・マスク氏は自身のX(旧:Twitter)で「First launch of Starlink Direct-to-Phone satellites(Starlink Direct-to-Phone 衛星の初打ち上げ)」というメッセージとともに、衛星の打ち上げ動画を投稿しました。
ネット上では、「孤立集落との連絡手段に良さそう」「民生では大したことなくても、軍事的な使い道が多そう」「能登の地震とか、災害向けにも使えそうですよね」など、さまざまな意見が寄せられています。
「あらゆる場所でモバイルネットワークへの接続を可能に」
イーロン・マスク氏は打ち上げ成功した衛星に対し、「地球上のあらゆる場所でモバイルネットワークへの接続を可能にするものだ」と説明しています。しかし、この技術には限界があるとも指摘しており、「このソリューションは、携帯電話がつながらない地域にとってはすばらしいものだが、既存の地上のネットワークと比較すると、実質的な競争力はない」と語りました。
一方で、スターリンクは空が見える場所ならどこでも接続可能であるとも強調しています。最終的に世界中の顧客に展開する計画で、「顧客はシームレスな接続を維持できる」とコメント。スペースXは提携先のT-モバイルに加え、オーストラリアのOptus、カナダのRogers、ニュージーランドのOne NZ、日本のKDDIなど、複数の通信事業者との提携を発表しています。
最終的には4万2,000基の衛星を宇宙に送り込む計画で、現在は1万2,000基の衛星コンステレーションを目指していることが報じられています。打ち上げデータを集計したレポートによれば、2023年末時点で5,000基以上が投入されているとのことです。今後のスペースXの活躍に注目が集まります。