第4回ライティングコンテスト佳作

AIは将来どうなっていくのだろうか。

漫画やアニメのように人が魔法のように火や水を出せるようになっているのかもしれない。現代にあるVRゲームのように何か装置をつけなくても、肌身のまま魔法のように様々なものが出せるようになる時代がきてもおかしくはない。

よく映画では手の中にICチップを埋め込んでお金を管理する、そんな未来を予測したものがある。それが未来にはもっと複雑なものになっているかもしれない。例えば、体内にAIの学習プログラムがあるICチップを組み込んだらどうなるか。

「水を出せ」と言ったら手から水が出るかもしれない。「火を出せ」と言ったら自由自在に炎を出し、操れるかもしれない。それほどAIの学習プログラムの可能性は無限だ。

今あるVRゲームですら、昔には「ゲームを自分の体を使ってプレイできる」なんて考えにくいものだった。それが今となっては日常にありふれている。こうなると将来は今からではとても想像つかないことができるようにもなっているように思える。

ドラえもんのポケットから出てくる道具のように目新しいアイテムも発売されるかもしれない。医療の現場だと、今では治療に多くの時間を要する透析。一般的な血液透析は週3回透析施設に通い、1回あたり4~5時間を要する。こんな大変な治療が、もし将来「透析シール」というものができたらどうだろう。透析に必要な時間にそのシールを貼るだけで1回の治療をしたことになったらどんなに便利だろうか。

わたしが欲しいものは、自分の経験を映像でそのまま他人に見てもらうものだ。例えば、トラウマの被害者が加害者に自分目線の出来事の道筋を全て映像で映し出し、周りの人に見てもらい理解してもらう。加害者に見せるとやっと被害者目線で考えることができるだろう。反対に加害者目線で被害者に出来事を見てもらうと、得策ではない場合もあるが、どうしてこんなことをしたのか原因がわかることもある。

それに、その問題が学校でのいじめだとしよう。そうすると第3者にそれぞれが見た映像を見てもらい、状況の理解に時間を取られず、また真実もわかる。隠し事なんてできない世の中になる。そんなものが出てきたら、誤解をされることも少なくなるだろう。その人が見た真実がそのままの映像で見えるのだから。

もうひとつ、未来にあっていて欲しいものは「人の気持ちがすぐに伝わる」テレパシーのようなものだ。人はみんな素直な人ばかりではない、プライドが邪魔をしてなかなか肯定できない人もいれば、恥ずかしがりやの人だっている。そのようなときに相手の思っている言葉がはっきりわかれば、それが言動と一致しているか、もしくは何か事情があるのか。そんな人付き合いで出てきやすい悩みも解消されるかもしれない。

そうなると、困った点も1つ出てくる。周りに思っていることが隠せないということだ。普段から自分の考えを抑え、相手に合わせることでうまくいっている関係もあったりするだろう。しかし、物事をあまりにクリーンにしすぎてしまうとそれはそれで敵を作る可能性があるのだ。

恋愛であれば、相手に好きな気持ちが隠せなくなるかもしれない。素直な性格であれば、早く成就するのに越したことはないのでいいのかもしれないが、周囲の人にまでバレてしまう。そこでスキな人が友達と被っていたりすると、面倒なことになるかもしれない。

今からは考えられないものであれば、「人が死後に復活する」ということだ。亡くなる前に、その人体にAIの学習システムがあるICチップを埋め込む。そうすると死後に人体の細胞が活性化され、生き返ることがあるかもしれない。会いたい人がいる人にとってはそんな未来は願ってもないことだ。

ライター:水嶋 捺

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 3月に日本を訪れた外国人旅行者数が推計308万1,600人に達し、単月として初めて300万人を超え、…
  2. ピアニストのフジコ・ヘミング氏が4月21日、膵臓がんのため92歳でこの世を去りました。リストの難曲『…
  3. 東京都は19日、築地市場跡地の再開発計画において、三井不動産を代表とする企業グループを事業予定者とし…

おすすめ記事

  1. 「発達障害の子どもたち 私立の小・中学校は適応できるのか?」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2024-3-24

    発達障害の子どもたち 私立の小・中学校は適応できるのか?

    発達障害は脳機能の発達の遅れと考えられ、マイペース、独特、天然などは脳の個性と考えられています。子ど…
  2. 「血液型って4つだけ?組み合わせによって種類は数百万」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2024-3-27

    血液型って4つだけ? 組み合わせによって種類は数百万

    お父さんの血液型がAB型、お母さんがO型。お子さんがO型ってことあるの?血液型は4つしかないの?私た…
  3. 2023-11-9

    NASAがボイジャー2号のソフトウェアを更新 探査機までの距離はおよそ193億km

    NASAは長期間にわたり宇宙の深遠へと旅しているボイジャー2号の最新の状況を公表しました。ボイジャー…

【募集中】コンテスト

第5回ライティングコンテスト(東京報道新聞)

【結果】コンテスト

東京報道新聞第4回ライティングコンテスト (結果発表)

インタビュー

  1. ゴミ収集車の死亡事故による呼び捨てでの実名報道で訴訟を起こした品野隆史氏
    現在メディアでは、事件に関して疑いのある人の実名報道では「容疑者」を呼称でつけていますが、1989年…
  2. 青森県で協力雇用主として出所者の社会復帰を目指して雇用する企業「有限会社松竹梅造園」代表の渡辺精一様
    協力雇用主とは、犯罪や非行をした者の自立や社会復帰に向けて事情を理解したうえで就職先として受け入れる…
  3. 青森刑務所で受刑者に講話を行った受刑者等専用の求人誌「Chance!!」編集長・三宅晶子氏
    三宅晶子氏(株式会社ヒューマン・コメディの代表取締役)は、日本初の受刑者等専用求人誌「Chance!…
ページ上部へ戻る