Apple、Googleの生成AI「Gemini」の搭載を交渉中 「ChatGPT」も検討
米Appleは、Googleの生成AI「Gemini(ジェミニ)」をiPhoneに搭載するために交渉を進めています。この合意が成立すれば、AI業界に大きな影響を及ぼす可能性があります。
双方はiPhoneのソフトウェア機能を強化する目的で、ジェミニのライセンス交渉を行っており、Appleは同様にOpenAIが開発した対話型AI「ChatGPT」の使用も検討中です。
AppleとGoogleがパートナーシップを結べば、両社間の既存の検索エンジンでの協力関係がさらに強化されます。Googleは自社の検索エンジンをiPhoneのデフォルトのブラウザである「サファリ」に設定するため、Appleに毎年数十億ドルを支払っています。
しかし、AI契約の具体的な条件やブランドはまだ決定しておらず、実行方法も最終決定に至っていません。合意によりジェミニが大きな優位性を得る一方で、これがAppleのAIに対する取り組みが遅れている可能性を示唆するものだと考えられます。
AppleはiOS18の一環として、独自のAIモデルに基づく新機能を開発中であり、これらは主にデバイス上で動作する機能に焦点を当てています。このため、Appleは生成AIのより複雑なタスクを担うためのパートナーシップを模索しています。
Googleの生成AI「Gemini(ジェミニ)」とは?
Googleが開発した生成AI「Gemini」は2023年12月に発表され、その革新的な能力で大きな話題を集めました。ジェミニは「マルチモーダルAIモデル」と呼ばれるもので、テキスト、画像、音声、動画といった多様な入力を受け取り、テキストと画像の生成を行います。
元々、Googleの生成AIと言えば「Bard(バード)」が有名でしたが、Googleは同生成AIの名称をジェミニに変更しました。多様なアップデートを加えたことにより、現在の主力AIモデルであるOpenAIの「GPT-4」を凌ぐほどの性能を発揮しています。
Googleのジェミニは、膨大なデータから微細な知識を抽出する推論能力に長けています。また、PythonやJavaなど、さまざまなプログラミング言語で高品質なコードを生成できる能力も有しており、科学や金融などの分野での研究や調査を加速させる可能性を秘めています。