政府はNISAの非課税額を、現在の3倍である年間360万円に拡大する方針を固めました。さらに、非課税期間も無期限に延長する方針です。
生涯の投資上限額を1,800万円とし、うち1,200万円は株式投資に使える「成長投資枠」とすることも視野に入れています。国民の資産を貯蓄から投資に向かわせ、経済の活性化を図るのが政府の狙いです。
NISAは、株式・投資信託などへの投資から得られる配当金・分配金や譲渡益が非課税になる優遇制度です。このNISAには、少額で長く投資する「つみたてNISA」と、非課税期間は短いが投資額が多い「一般NISA」の2種類があります。
「つみたてNISA」は2018年1月から始まった制度で、一方の「一般NISA」は2014年1月よりスタートしました。投資額や非課税期間以外にも、「対象が投資信託のみなのか」「国内外の上場株にも投資できるのか」などの違いがあり、現在はどちらか一方しか利用できません。
今回、政府が固めた方針によると、新制度では両方への投資が可能となり、年間投資額は「つみたてNISA」は現在の3倍の120万円、「一般NISA」は現在の2倍の240万円にまで拡大します。
それぞれ合わせると年間360万円となり、現在の「一般NISA」を利用した場合の3倍の投資額へと膨れ上がります。また、非課税で保有できる期間が無期限となるのも重大な変更点です。
現在の「つみたてNISA」と「一般NISA」の基礎概要
現在の「つみたてNISA」は、少額の長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度であり、対象商品は長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託に限定されています。初心者が始めやすい投資として、テレビやSNSで話題になりました。
【つみたてNISA】
利用できる人 | 20歳以上の日本在住者 |
非課税投資枠 | 毎年40万円 |
非課税期間 | 最長20年 |
投資可能期間 | 2018年〜2042年 |
「一般NISA」は、投資信託だけでなく株式への投資もできる非課税制度です。年間の投資額は「つみたてNISA」よりも大きいですが、非課税期間は短いという特徴を持ちます。非課税期間後は通常の取り扱いとなり、約20%が課税されます。(「つみたてNISA」も同様)
【一般NISA】
利用できる人 | 20歳以上の日本在住者 |
非課税投資枠 | 毎年120万円 |
非課税期間 | 最長5年 |
投資可能期間 | 2014年~2023年 |