2022年の「世界の都市総合力ランキング」が発表 東京は7年連続で3位

14日、日本の調査研究機関である「森記念財団都市戦略研究所」が、2022年の「世界の都市総合力ランキング(GPCI)」を発表しました。このランキングでは、世界48都市が評価の対象であり、6つの分野の総合評価で順位付けされます。

2022年は1位がロンドン、2位がニューヨーク、3位が東京という結果で、上位3都市は7年連続で同じ順位でした。東京はなんとか3位をキープしましたが、総合スコアは大きく下がっており、4位のパリに僅差まで詰められています。

また、国際渡航規制や水際対策など慎重なコロナ政策を実施した影響で、外国人訪問者数が大幅に減少するなど、「文化・交流」「交通・アクセス」分野で評価を落とし、それに加えて「経済」「居住」の分野でも順位が下がっています。

その一方、「食事の魅力」「買い物の魅力」「ホテルの客室数」「文化イベントの開催件数」などで、東京が世界1位を獲得しているのも事実です。順位を落としている分野はありますが、去年と変わらず多分野で世界1位を獲得しているため、必ずしも状況が悪くなっているとは言えません。

「世界の都市総合力ランキング」で評価される6つの分野

GPCIでは、世界の主要都市の総合力を、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野で複眼的に評価し、順位付けしています。

ロンドンやニューヨーク、東京、パリ、シンガポール、ソウルなど、世界48都市が評価の対象です。このランキングの構成要素を分析すれば、各都市の強みや弱み、課題を詳細に把握できます。

実際、2022年のGPCIが発表されたことで、東京における慎重なコロナ対策の弊害が可視化されました。東京の弱みとして可視化された「文化・交流」「交通・アクセス」「経済」「居住」分野は課題として取り組み、強みとして認知された「食事の魅力」「買い物の魅力」「ホテルの客室数」などは、さらに伸ばしていくのが理想の流れだと言えます。

アジアの人々にとって東京は「働きたい」都市である

GPCIの調査対象である48都市に滞在経験のある人々に、「その都市で働きたいと思うか」というアンケートを実施したところ、最も評価が高かったのはニューヨークで、次点は東京でした。

特にアジア諸都市に居住している回答者からの評価が高く、アジアのなかで東京は注目度が非常に高い都市だと言えます。

複数の分野で評価を落とし、4位のパリに僅差まで詰められた東京ですが、「働きたい」と思う人が多いことはポジティブに考えるべきです。悪い部分にだけ注目するのでなく、良い部分を活かすことも考えていかなくてはなりません。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. JR東日本は、新たなデジタル金融サービス「JRE BANK(JREバンク)」を5月9日に開始すると発…
  2. 令和6年の能登半島地震により、石川県の施設は甚大な被害を受けた。その復興の道のりのなかで、『のとじ…
  3. ピアニストのフジコ・ヘミング氏が4月21日、膵臓がんのため92歳でこの世を去りました。リストの難曲『…

おすすめ記事

  1. 第3回昭島矯正展の入り口のアーチ

    2023-10-25

    刑務所ってどんな場所?「昭島矯正展」が伝える受刑者更生の日々

    2023年9月24日(日)、およそ3年ぶりに昭島矯正展が開催されました。当日の様子をイベントレポート…
  2. 2023-11-9

    NASAがボイジャー2号のソフトウェアを更新 探査機までの距離はおよそ193億km

    NASAは長期間にわたり宇宙の深遠へと旅しているボイジャー2号の最新の状況を公表しました。ボイジャー…
  3. 「薬物乱用防止教室」の講義で講師をする元千葉県警・警部補、一般社団法人日本刑事技術協会の上級コンサルタントの森雅人氏

    2024-4-22

    「ダメ、絶対!」元千葉県警刑事の森雅人氏が高校生向けに薬物の危険性について講義を実施

    元千葉県警・警部補であり、現在は一般社団法人日本刑事技術協会の上級コンサルタントとして活躍する森雅人…

【募集中】コンテスト

第5回ライティングコンテスト(東京報道新聞)

【結果】コンテスト

東京報道新聞第4回ライティングコンテスト (結果発表)

インタビュー

  1. ゴミ収集車の死亡事故による呼び捨てでの実名報道で訴訟を起こした品野隆史氏
    現在メディアでは、事件に関して疑いのある人の実名報道では「容疑者」を呼称でつけていますが、1989年…
  2. 青森県で協力雇用主として出所者の社会復帰を目指して雇用する企業「有限会社松竹梅造園」代表の渡辺精一様
    協力雇用主とは、犯罪や非行をした者の自立や社会復帰に向けて事情を理解したうえで就職先として受け入れる…
  3. 青森刑務所で受刑者に講話を行った受刑者等専用の求人誌「Chance!!」編集長・三宅晶子氏
    三宅晶子氏(株式会社ヒューマン・コメディの代表取締役)は、日本初の受刑者等専用求人誌「Chance!…
ページ上部へ戻る