トヨタ自動車における2022年の販売台数が、3年連続で世界1位の見通しが立ちました。トヨタが26日に発表した、1〜11月のグローバル販売台数が前年同期比横ばいの956万台だったのに対し、トヨタと販売台数を競う独フォルクスワーゲン(VW)は742万台であり、214万台を上回る形でトヨタが1位に輝きました。
トヨタグループ全体の11月単月のグローバル販売は、88万台と前年同月比で4%増えています。その一方で、VWは9%増の67万台でした。ここからVWがトヨタを追い抜くには、月間平均の3倍以上を販売しなくてはなりません。
この3倍という数字は現実的ではないため、発表されている11月までのデータを参照すると、2022年の販売台数1位はトヨタだと予想されています。
トヨタがこれだけの販売台数を成し遂げたのは、中国や東南アジアでの売上実績が大きく影響しています。トヨタ単体の中国での販売台数は前年比で2%増えており、さらにはインドネシア14%増し、タイ22%増しという輝かしい結果でした。
新型コロナウイルス感染症拡大による落ち込みから回復にかけた、旺盛な需要をうまく取り込んでいたとされます。また中国では、「カローラ」や「カムリ」などの車種が人気で、東南アジアでは多目的スポーツ車が好調でした。
この点、VWは中国での販売台数を6%落としており、そのほかのアジア太平洋地域でも6%増にとどまっています。
トヨタの11月生産実績が過去最高の83万台を記録
半導体不足の影響を受け、トヨタは2023年3月期のグローバル生産計画を、11月に50万台下方修正しました。920万台の生産計画は、前期実績や過去最高の2017年3月期を上回る数値ですが、半導体不足によって計画通りに進まない可能性が危惧されています。
しかし、トヨタの11月のグローバル生産は83万台と、11月としては過去最高の実績でした。一時は半導体不足により、生産実績が大幅に減少するなど不安の声があがっていましたが、トヨタの実績更新により期待の声が増えています。
半導体不足が解消し、生産が正常化すれば、長引く納期問題の改善にもつながります。とはいえ、この状況は2024年まで続くと言われているため、安堵するにはまだ早いと言えるでしょう。
なお、トヨタの実績を見た人たちは、「現時点でのトヨタの戦略は正しいと思う」「さすが日本のトヨタだ」「海外のモデルは日本車には敵わないと再認識した」などの反応を示しています。今後のトヨタの活躍や、半導体不足の動向に注目したいところです。