三菱UFJ銀行やみずほ銀行などの大手5行は、2023年1月から住宅ローンの固定金利を引き上げました。日本銀行の金融緩和策の修正で、長期金利が上昇したことによる措置だとされています。
代表的な固定期間10年の基準金利は、12月と比べて0.10〜0.34%引き上げられます。対象となるのは、新規で借りる場合の住宅ローンであり、すでに固定型でローンを組んでいる住宅購入者の負担額は変わりません。各銀行の引き上げ幅は以下の通りです。
銀行 | 引き上げ幅 | 引き上げ後の金利 |
---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 0.18% | 3.70% |
三井住友銀行 | 0.26% | 3.79% |
みずほ銀行 | 0.30% | 3.50% |
りそな銀行 | 0.10% | 3.78% |
三井住友信託銀行 | 0.34% | 3.74% |
三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、12月までの1年間の上げ幅における合計の0.13%を上回りました。みずほ銀行も、年間の上げ幅である0.45%の約6割に達する上げ幅となります。
今回の引き上げで、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行は2013年10月以来、みずほ銀行は2011年11月以来、三井住友信託銀行は2013年7月以来の高水準となりました。
なお、店頭金利に金利優遇を適用した場合の「最優遇金利」については、三菱UFJ銀行が1.05%、三井住友銀行が1.14%、みずほ銀行が1.40%、りそな銀行が1.125%となります。
住宅ローン金利の引き上げを受け、ネット上では「想定されていた通り固定金利が上がった」「変動金利を含めて、今後上がっていく可能性があるな」「変動金利にすればおおむね問題ない」などの意見が寄せられています。
今回、固定期間10年の基準金利が上昇しましたが、その一方で短期金利に影響を受ける変動型の住宅ローン金利は据え置きです。
住宅金融支援機構は「フラット35」の適用金利を発表
住宅金融支援機構は4日、長期固定金利の住宅ローン「フラット35」における1月の適用金利を発表しました。最低金利の上昇は3ヶ月連続で、前月と比べて0.03%上昇しました。
1月の適用金利は、返済期間が21年以上35年以下(融資率最大9割)の場合、年1.68〜3.27%(前月1.65〜3.00%)、返済期間が20年以下の場合は年1.52〜3.11%(前月1.49〜2.84%)です。
日銀の金融緩和策の修正に伴う長期金利の上昇について、同機構は「すぐには影響しない」とコメントしています。今後の住宅ローン金利の動向に注目が集まります。