
2月6日、トルコ南東部で大地震が発生しました。8日時点で死者は7,900人を超え、避難所には38万人以上の被災者が身を寄せています。
この大規模地震は、トルコがロシアによるウクライナ侵略を巡る仲介役として、存在感を高めているなかで発生しました。日本を含めた70カ国が救助隊派遣など支援に乗り出しており、紛争当事国であるウクライナとロシアに加え、米国や中国も迅速に対応しています。
ウクライナの駐トルコ大使は6日に、地元公共放送で大使館に情報収集と自国の救助隊の活動を統括する本部を設置したと発表。ウクライナの大統領であるウォロディミル・ゼレンスキー氏は、SNSでトルコのタイップ・エルドアン大統領に犠牲者への弔意を伝えています。
またロシアも同様に、トルコに対して素早く支援活動を開始しています。ロシアの大統領であるウラジーミル・プーチン氏は6日、タイップ・エルドアン氏と電話で会談した際、「必要な支援を直ちに提供する用意」を直接伝えました。
そのほか米国のバイデン大統領は6日、タイップ・エルドアン氏に「北大西洋条約機構(NATO)同盟国のトルコをあらゆる形で支援する用意がある」と、電話会談で表明。中国も支援に乗り出しており、中国政府がトルコに対し、医療チームの派遣や救援物資の提供など4,000万元(約7億8,000万円)相当の緊急支援を決めたと、7日に中国中央テレビが伝えました。
日本も特殊救助隊に所属する警察官と救助犬を派遣
外務省によると、国際消防救助隊にはおよそ75人がトルコに派遣される予定であり、このうち18人が第1陣として、6日午後11時すぎにトルコへ派遣されました。
また警視庁は7日に、現地での救助活動などにあたる警察官と救助犬を派遣。特殊救助隊などに所属する警視庁の警察官13人と救助犬4頭が7日夜に日本を出発し、すでに派遣されている国際緊急援助隊と現地で合流した上で、模索や救助などにあたっているとのことです。
各国が緊急で支援を行っていますが、支援は十分ではなく、路上には遺体が残されたままになっています。被災地では、十分な支援がないことへの怒りが高まっています。建物に閉じ込められている人や、がれきの下に埋まっている人が未だに救助されていない様子です。
また、あらゆるところで火災が発生し、地震による被害やコンテナで入り口が塞がれていることから、救急隊が現場に入ることのできない地域もあります。今後もトルコの動向を追っていきます。