大浴場「大丸別荘」に警察の家宅捜索 山田真前社長を刑事告発 その後死亡

福岡県筑紫野市の老舗旅館「二日市温泉 大丸別荘」に警察の家宅捜索が入りました。大浴場の衛生管理を怠り、福岡県に虚偽の報告をしていたとして、県警は10日の朝に家宅捜索を実行しました。

県警の捜索では、従業員の勤務状況や指示命令が分かる関係資料を押収。また、浴場のメンテナンス状況について詳しく調べたとしています。

今回捜索が入った大丸別荘は、県の条例で週1回の実施が決められている「循環式の大浴場の湯の交換」を年2回しか行っていませんでした。さらに消毒用の塩素の投入も怠っていたことから、去年11月には大浴場の湯から基準値の最大3,700倍のレジオネラ属菌が検出されています。

福岡県への報告は完全なる虚偽だったとして、県は大丸別荘と山田真前社長を刑事告発しました。山田真前社長は2月28日に「大した菌ではないと考えていた」と謝罪し、その後に引責辞任しました。

8日の会見で福岡県の担当者は、「入浴施設全体に対する信用を失墜するような行為。強い危機感を持っている」と語っています。

大丸別荘の山田真前社長が死亡|車のなかから遺書が見つかる

警察の家宅捜索が入った大丸別荘の前副社長である山田真氏が、12日の朝に死亡していることがわかりました。警察によると、12日午前7時頃に市内の山道で通行人が発見したとのことです。

遺体の近くには山田真前社長本人の車があり、「申し訳ない」「全て自らの不徳のいたすところ」「あとはたのむ」などと書かれた遺書のような手書きのメモが見つかりました。現時点で警察は、今回の一件を自殺とみています。

死亡する前の2月28日、山田真前社長は報道を受けて福岡市内で記者会見を行いましたが、そこでの説明に強い批判が起きていました。説明の内容としては、湯の入れ替えを怠ったのは自らの指示であることを前提に置き、「レジオネラ菌がたいした菌じゃないという先入観があった」「塩素の臭いが自分の体質に合わずに嫌いだった」などが挙げられます。

事態を重く受け止めた福岡県は、山田真前社長を8日に公衆浴場法違反の疑いで刑事告発し、10日に同旅館と山田真前社長の家宅捜索を実施しました。これら一連の流れが強いストレスとなり、山田真前社長の自殺を招いたと予想されています。

今回の一件に対してネット上では、「この人は本当に追い込まれていたんだと思う」「責任を取ることと死ぬことは違うと思う」「あとの従業員のことも考えてほしい」など、賛否の意見が寄せられています。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 日本の小売業界を揺るがした大型買収劇が突然の終焉を迎えました。カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・…
  2. フジテレビジョンの持株会社であるフジ・メディア・ホールディングス(HD)が、旧村上ファンド系投資会社…
  3. 楽天グループが7月10日、総務省によるふるさと納税仲介サイトでのポイント付与禁止措置に対して法的措置…

おすすめ記事

  1. 2024-8-22

    Mr.Childrenの所属事務所代表、谷口和弘氏に懲役2年6ヶ月の求刑 起訴内容を認める

    人気ロックバンド「Mr.Children」の所属事務所を揺るがす事件が起きました。芸能プロダクション…
  2. 作家・講演家 宮崎伸治

    2023-5-21

    本人訴訟を経て悟った“本当に幸せになるための生き方”とは?

    約60冊の著訳書がある、作家・講演家の宮崎伸治氏。順風満帆な人生を歩んで来たかのように見えても、これ…
  3. 2024-8-31

    大阪府咲洲庁舎内のホテル運営会社の社長ら2人逮捕 総額約40億円の滞納

    大阪府警は8月22日、大阪府咲洲庁舎内の「さきしまコスモタワーホテル」運営会社の社長、小寺孝明容疑者…

2025年度矯正展まとめ

2024年に開催された全国矯正展の様子

【募集中】コンテスト

ライティングコンテスト企画2025年7-8月(大阪・関西万博 第3回)募集|東京報道新聞

インタビュー

  1. ぶっくまさんアイコン
    SNSからはじまる出版業界イノベーション|読書系インフルエンサー・ぶっくまさんによる「本をつなぐプロ…
  2. 「境界知能の僕が見つけた人生を楽しむコツ」という本を出版したなんばさん
    境界知能とは、IQの平均85〜110に届かず、知的障害(IQ70以下)にも該当しない、IQ71〜84…
  3. 「とかちむら」社長室長・小松さん
    十勝観光の新定番「とかちむら」の今と未来。社長室長・小松氏が語る、地域活性化への熱い想いと具体的な取…

アーカイブ

ページ上部へ戻る