金融広報中央委員会は2023年2月、「家計の金融行動に関する世論調査2022年(二人以上世帯調査)」を公表しました。これによると、30〜70歳代で金融資産を保有していない割合は、2〜3割程度もいることがわかりました。
この調査は2022年6月24日から7月6日の期間が対象で、全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、世帯員が2名以上の世帯)をターゲットにしています。年代別の具体的な割合は以下の通りです。
- 30歳代:23.9%
- 40歳代:26.1%
- 50歳代:24.4%
- 60歳代:20.8%
- 70歳代:18.7%
60歳代、70歳代でも貯蓄ゼロの世帯が約2割もいることがわかります。また、30〜70歳代の二人以上世帯の貯蓄の平均値と中央値は以下の通りです。
- 30歳代:平均値 526万円/中央値 200万円
- 40歳代:平均値 825万円/中央値 250万円
- 50歳代:平均値 1,253万円/中央値 350万円
- 60歳代:平均値 1,819万円/中央値 700万円
- 70歳代:平均値 1,905万円/中央値 800万円
年代が上がるにつれて、貯蓄の平均値と中央値も上昇しています。ただ、40〜50歳代の貯蓄ゼロの割合が30歳代よりも大きいのが疑問です。
これは、40〜50歳代は「就職氷河期世代」であり、うまく就職できなかった人が多かったことから、このような結果になっているのだと推測されています。また、住宅や車のローンなどで出費がかさんでいることも、原因の1つだと考えられています。
なお、2022年における金融資産の保有額については、2020年、2021年と比べると減少傾向にあります。なかでも預貯金に関しては、2013年や2014年と比較しても減少している様子で、これは近年起こった物価の値上げラッシュが影響している可能性が高いとのことです。
貯蓄を増やすための効果的な節約術
貯蓄を増やすには、節約をするか収入を上げるかの2択しかありません。しかし、多くの人にとって収入を上げるのは難しいため、近年では効果的な節約術が注目されています。主な節約術として、以下のような方法が挙げられます。
- サブスクリプションの利用を必要最低限にする
- NISAやiDeCoで資産運用する
- できるだけ安い販売店で食材を購入する
- ゲームアプリの課金を控える
- 保険料や保証内容を見直す
これらは基本的な節約術ですが、実際にできている人はそう多くありません。身の回りのことから少しずつ節約を始めることで、数十年後の貯蓄にそれが大きく影響しています。
なお、ネット上では「お金を貯めたいのになかなか貯まらない」「ずっと働き続けるのは辛い」「貯金しても全然足りない」などのコメントが多く寄せられています。