7月13日から新たな法律「撮影罪」が施行されました。これまで都道府県ごとの条例で取り締まっていた盗撮を、全国一律で取り締まることが可能になります。
撮影罪が施行されたことで、性的姿勢等のひそかな撮影、それを第三者に提供、さらにはインターネットなどでの公開や保管まで、すべてが処罰の対象となりました。罰則は盗撮行為に対しては最大3年の拘禁、または最高300万円の罰金、一方で不特定多数への提供行為については最大5年の拘禁、または最高500万円の罰金となります。
法改正の背景には、航空機内での客室乗務員の盗撮行為があります。航空機の特性上、どの都道府県にも当てはまらない「空中」という場所での盗撮行為を処罰できず、客室添乗員の盗撮が法の抜け穴になっていました。
今回法改正がされ、全国一律で取り締まれるようになったことで、航空機内での盗撮行為の処罰が可能になります。このことを受け、ANAは撮影罪についての認識を高めるため、羽田空港にポスターを掲示。無断撮影の禁止を訴え、新法の周知活動を開始しています。
撮影罪とは?撮影データの没収や消去・破棄も可能に
施行された撮影罪の正式名称は、「性的な姿勢を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿勢の撮影に係わる電磁的記録の消去等に関する法律(性的姿勢撮影等処罰法)」です。6月16日に成立し、6月23日に公布されたこの法律は、性的な盗撮を一律に禁じるものです。
この新法により、航空機内での盗撮も処罰の対象となるほか、撮影データの没収や消去・破棄も可能となります。この法律の施行について、ANAの取締役執行役員客室センター長の西嶋直子氏は、「これまで業務中に盗撮されたかもしれない、業務中の姿を無断で撮影されたかもしれない、という複数の報告がございます。今回の撮影罪施行によりまして、機内における盗撮行為からお客様、また客室乗務員を守ることが可能となります。撮影罪の法制化について関係省庁に要望してきた経緯もあるため、今回の実現は大変ありがたいと思っております」と述べています。
ANAによって掲示されたポスターには性的盗撮だけでなく、プライバシーの侵害につながる無断撮影についてもアナウンスが記載されています。一方で、機内からの風景撮影や機内食の撮影については、特に制限の案内がなければこれまで通り問題ありません。