NASAの有識者研究会は14日、UAP(未確認空中現象)に関する調査結果を報告書として公開しました。この報告書では、利用可能な情報の質は低く、科学的な結論を導き出すには不十分であるとしています。その上で、「適切なデータ収集が必要だ」との指摘がされました。
UFO(未確認飛行物体)として一般的に知られていたものは、現在「UAP」として称されるようになりました。このUAPに対する関心は長らく多くの人々を引きつけており、近年ではアメリカ海軍によるUAPの動画の公開が注目を集めました。
NASAはこの問題に関する研究を進めるため、研究責任者を配置する方針を発表。さらに、報告書は過去の報告事例の評価はしていませんが、「現在までに専門家の査読を受けた論文には、UAPが地球外生命体によるものだとの証拠はない。目撃証言は興味深いが再現性はなく、結論を導くだけの情報に欠ける」と記載した上で、「並外れた主張には、並外れた根拠が必要だ」との立場を強調しています。
また、NASAのネルソン局長は記者会見で、「議論をセンセーショナリズムから科学に移行させることが目的の1つだった」と明言しました。報告書では、人工衛星を活用した事例収集や目撃条件の特定が可能だとしています。
米国防総省がUFOとUAPに関するWebサイトを立ち上げ
米国防総省(DoD)は8月31日、UFOとUAPに関する目撃情報を公開する専用のWebサイトを立ち上げました。同サイトには、米空軍などによって撮影されたUAPに関する動画が投稿されています。
また、1945年以降にUAP関連の政府活動に携わった政府職員や軍人らによる情報が掲載され、今後はより広範囲の人々の目撃情報も公開される予定です。現在、Webサイトには8本のUAP動画が公開されており、この中には米海軍のF/A-18ジェット戦闘機が2015年に撮影した円形型の物体の映像も含まれています。
この物体は時速220kmで風を切って飛行しており、パイロットからは「その物体は決して超常現象ではなく、リアルな人工物だった、それは確かだ」との声が寄せられています。そのほか、中東や南アジアの無人攻撃機MQ-9リーパーによる動画3本も公開中です。
これらの動画は同サイトからダウンロード可能で、さらに「UAPレポーティング・トレンド」も掲載されており、UAPの飛行高度、形状、速度などの詳細情報が紹介されています。