オリエンタルランド、2024年3月期の連結営業利益が前年比32%増・1,467億円の見通し

オリエンタルランド(OLC)は30日、2024年3月期の連結営業利益が前年度に比べて32%増の1,467億円に達するとの見通しを公表しました。これは従来の予測を245億円上回る数値であり、2019年3月期の記録を更新し、過去最高益を更新する見込みです。

この収益の伸びは、優先入場サービス「ディズニー・プレミアアクセス」の導入などにより、1人あたりの客単価が向上したこと、そして予想を上回るインバウンド客の増加によるものです。

売上高は23%の増加を見込んでおり、従来予想を507億円上回る5,946億円に到達するとされます。テーマパーク事業のみならず、ホテル事業も増収に貢献しています。さらに年間配当も従来の予想より2円増額され、11円となる見通しです。

客単価の増加が収益向上の鍵を握る中、OLCは今期のゲスト1人あたりの売上高見通しを、期初予想から593円増の1万6,623円に見積もっています。特に「ディズニー・プレミアアクセス」や40周年記念イベント中の商品販売が、売上増に寄与すると分析しています。

入園者数の増加も同社の業績に好影響を及ぼしており、2023年の4月から9月にかけては前年同期比で40%増の1,250万人が訪れたという統計があります。インバウンド客が全体の13%を占め、2020年3月期の10%を上回る割合です。2024年3月期の入園者数の予測は当初より120万人増の2,630万人に修正され、2019年3月期の80%に匹敵します。

同日公表された2023年の4月から9月における連結決算では、売上高が前年同期比39%増の2,843億円、営業利益は2倍の770億円、純利益は2.1倍の545億円と、著しい成長を遂げたことが明らかになりました。

2025年度3月期を最終年度とする中期経営計画も修正

OLCは2025年度を目処に掲げていた中期経営計画の修正も公表しました。従来の計画では、最終年度の連結営業利益を「1,000億円以上」と見込んでいましたが、これを「1,600億円レベル」へと大幅に引き上げると発表しました。この計画は、2022年4月のコロナ禍に立てられていました。

2024年6月には、東京ディズニーシー内に新エリア「ファンタジースプリングス」が開業予定です。この新たな展開により、以前に見込まれていた連結売上高の押し上げ効果を500億円から約750億円へと上方修正。さらに、OLCは成長投資と更新改良に充てる予定の資金もそれぞれ1,600億円・750億円から、2,150億円・900億円に増額するとのことです。

ファンタジースプリングスの開業後、2027年には「スペース・マウンテン」とその周辺エリアの改良が計画されています。OLCの片山雄一副社長は記者会見で「TDRが40周年を迎え古くなった施設もある。スペース・マウンテン以外の部分も手を入れる必要がある」とコメントしました。

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