新型コロナウイルス感染症の影響で沈んだ訪日外国人(インバウンド)消費が回復軌道に入っています。1月の訪日客数は149万7,000人で、コロナ禍前の2019年同月と比べて56%の水準でした。
中国本土以外からの訪日客に限定すれば、水準は76%まで回復しています。このまま順調に進めば、年2,000万人台が視野に入るとのことです。
インバウンド消費が回復傾向にあることで、受け入れ体制を再構築して整える必要があり、今後は人手不足が最大の課題になると予想されています。
日本政府観光局(JNTO)が15日に発表した内容によると、1月の訪日客数は2022年12月から12万7,000人増えているとのこと。訪日客数が最多の韓国は56万5,000人で、2019年1月の73%にまで回復。そのほか、国・地域別の水準は以下の通りです。
- 米国は8万8,000人で同85%まで回復
- 台湾は25万9,000人で同67%まで回復
- ベトナムは5万1,000人で同46%増加
- シンガポールは2万6,000人で同18%増加
香港を除く中国からの訪日客は、3万1,000人で同96%減少しています。コロナ禍前と比べて著しく減少している様子で、検査の義務付けなどの厳しい水際対策が影響しているとされます。
政府は外国人観光客の消費額目標を「1人あたり20万円」に引き上げ
日本に訪れる外国人観光客の消費額の目標を「1人あたり20万円」に引き上げる案を、政府が観光戦略の新たな基本計画で示すことが明らかとなりました。
新型コロナウイルス感染拡大前の目標額は15万9,000円であり、そこから約25%引き上げ、2025年に1人あたり20万円まで引き上げるとのことです。政府はこれまで外国人観光客の人数にフォーカスしてきましたが、今後は経済効果を高める狙いから1人あたりの消費額が注力されます。
また、地方での宿泊日数を2019年の1.35泊から、2025年には1.5泊まで延ばす計画が打ち出されています。これまで以上に、地方での消費額を増加させるのが狙いです。
政府の発表に伴い、外国人観光客の受け入れ体制を強化する店舗が増加傾向にあります。観光客に専用ガイドを付けて地元の店舗を案内する、複数の言語に対応した案内板をホテルに設置するなど、さまざまな対策が行われています。
ネット上では、「消費を増やしてもらうのは良いことだ」「経済回復のためにも対策をもっと進めてほしい」などの声があがっています。