「食べログ」側が二審判決で逆転勝訴 東京高裁が一審判決を取り消し

焼き肉チェーン「KollaBo(コラボ)」の運営会社韓流村がグルメサイト「食べログ」の運営企業カカクコムを訴えた訴訟で、1月19日に二審判決が出ました。2022年6月の一審でカカクコムに3,840万円の支払いが命じられましたが、東京高裁は一審判決を取り消し、飲食店側の逆転敗訴となりました。

訴訟の発端は、KollaBoの21店舗の評価点が食べログのアルゴリズム変更により、平均約0.2点下落したことでした。これにより、韓流村は来客数が減少し、多大なる損害を受けたと主張。しかし、二審判決では「食べログのアルゴリズム変更に合理性がある」と認定されました。

これにより、食べログ側が優越的地位を利用したと認められつつも、その濫用には該当せず、独禁法違反の構成要件を満たさないと判断されたのです。この結果、食べログ側の賠償支払い命令が取り消され、アルゴリズム変更が消費者の感覚を反映するものとして正当化されました。

ネット上では、「食べログで点数を下げられたから、店舗が潰れたと言うのは違うと思う」「売り上げ落ちたのはコロナ禍の影響な気も」「訴えた方の気持ちも非常に理解出来ます」など、賛否の意見が寄せられています。

韓流村の社長が「判決結果は大変遺憾」「強い憤りを感じる」と主張

KollaBoを運営する韓流村の任和彬(イム・ファビン)社長は、食べログの評価点下降が売り上げ減少に繋がり、当時運営していた19店舗が赤字により倒産したことを判決後の記者会見で述べました。「言葉にできないほどの衝撃」「判決結果は大変遺憾であり、強い憤りを感じる」と訴えています。

今回の審理では、食べログが2019年5月に導入した新しいアルゴリズム「新ロジック」と、チェーン店の点数を下げる「チェーン店ディスカウント」といったアルゴリズム変更を行ったことが論争となっています。任和彬社長は、二審判決で急に持ち出された「新ロジック」に疑念を表明し、食べログの評価基準が恣意的であると批判しました。

また、食べログの評価システムが完全にアルゴリズムに基づくものではなく、人為的な要素が介入しているとも主張しました。この判決は飲食業界だけでなく、他の分野のポータルサイトやショッピングサイトにも影響を及ぼすと警鐘を鳴らしています。

韓流村は2020年5月、「食べログ被害者の会」を設立し、2022年6月には「食べログ独占禁止法違反行為に対する集団訴訟」を呼びかけています。多くの企業は食べログ側との争いを避けているのが現状であり、特に利益率の低い飲食店にとって食べログの評価点は死活問題であるとのことです。

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